第130話 王都攻防戦4

 ☆すみません。話数を間違えていたので修正しました。


 王都内部で起こっていた事、それはレジスタンスたちの一斉蜂起だった。

 何だかんだでミストルティン消失やエルの王都攻撃などを見ながら、人間を攫って戦闘兵器に変えるという、ついに彼らもついに限界に迎えたのである。

 そして、それに呼応する市民たちは予想以上に多かったのである。


「うおおおお!!立ち上がれ!!俺たち市民の手でこの王都を取り戻すんだ!!」


「あんなクズのろくでなしどもにこの王都を好き勝手させるか!!戦え!!戦って取り戻せ!!」


 棒に包丁を括り付けた粗末な槍やら貧相な手持ち武器やらで兵士たちに立ち向かっていくレジスタンスと市民たち。そう、今までの状況は配信を通して王都の皆へと伝わっていた。

 人類至上派のやり方もミストルティンを失った事も全てレジスタンスへと伝わっており、それらは全て市民たちへと伝わっていたのだ。

 こんな配信技術が発達しているところで情報封鎖などできるはずもない。そして、レジスタンスたちはこの王都急襲が自分たちの助けであることを正確に把握しているのだ。人類至上派の支配も、亜人たちを痛めつけるだけでなく、自分たちを浚って怪物に変えるなどという事も理解したのなら、もう上層部に従うなどという判断はありえない。大人しくしていたら殺されるのならば、もう逆らうしかない。

 レジスタンスたちも、そのために市民たちに人類至上派の危険性を煽っていたのだ。そして、危機を悟った彼らはついに蜂起を行ってきたのだ。


(しかし……。彼らは手持ちの武器だけでいかにも貧弱だ。数で多いと言ってもこのまま鎮圧されてしまったらたまったものではない。)


 辺境伯軍が渡してくれた木箱の中には、大量の武器が詰まった箱が大量に存在する。

 大量に存在するワイバーンたちもそれら武器が入った大量の木箱を吊り下げてもっている。

 恐らくは、辺境伯はこのレジスタンスの呼応を予期して、武器を空輸で渡すためにワイバーンたちに持たせたのだろう。

 だが、それを邪魔をしているのは、やはり防御障壁である。あれがある限り、武器の詰まった木箱を落とした所で邪魔されるだけだ。何としてもアレに穴を開けなくてはならない。


(となると……。いっちょうやってみますか!)


 エルは心の中でそう呟くと、自らの周囲に重力魔術による空間歪曲を作り出し、それを身に纏いながら、防御障壁へと突撃していく。

 つまり、自らが弾丸になって、空間歪曲によって自分自身が弾丸となって防御障壁を貫通させることを決意したのだ。


『うぉおおお!!食らえオラァアアアア!!』



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