少女と転生者達の人生記

星野海豚

プロローグ

 人族国家の大国であるフォードゥルング王国。


 そこに本拠地を置いている商会、ゲビット商会があった。


 ゲビット商会は街だけではなく王国全土にも支店を置いており、更に隣国にも支部を設置するほどの規模だった。


 そんな商会の会長を務めていたのは、ジャック・バイツ・ゲビットだった。


 会長の座は父親から受け継ぎ、新たな事業を展開するなどして商会の規模を更に広めた。


 そんなジャックとその妻アイナに第一子が誕生した、女の子だった。


 彼女はニーナと名付けられた、二人はニーナを出来るだけ立派な魔術師に育てようと決めた。


 立派に育ち、あっという間に五歳となった。


 家の中でささやかなパーティが開かれた。


 パーティが終わりそろそろ魔法を学ばせよう、そう思っていた。


 そして翌日に事件が起きた。


 ニーナの部屋の方から土系の魔法を放つ音が聞こえたのだ。


 「まさかニーナが魔法を...?」


 そんな期待と突然頭をよぎった嫌な予感を胸に抱き、部屋に向かった。


 部屋をノックしたが返事がない。


 ニーナの部屋に入り...見てしまった。


 

 荒らされた部屋。

 床には砂が散乱。

 知らない人物の匂いが充満していた。


 ——そして頭が血を流したニーナが、そこには居たのだ。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る