こんな私も人間です

あめだま

第1話

こんちゃす、初めての人ははじめまして。

私の名前は……あめだま、とでも名乗っておこうかな。

あめだまのはしっこ。それが私の、“今の”名前だ。

自分の下の名前は好きじゃなくなった。

だから私は“あめだま”、そう名乗っておく。


今日は、そんな私の、フィクションとノンフィクションが混ざりあった設定という過去を、聞いて言ってもらいたい。


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10年くらい前、私は年中で幼稚園に入園した。

年少から入っていた子にうまく馴染めるか不安だったが、同じクラスになった子はみんな仲良くしてくれた。

にんじんも、その1人だった。


入園してから変わったことは、一人称が自分の名前ではなく、わたしになったことだ。

逆に変わらなかったのは、私がマザコンということ。

母は過保護だし、私はマザコン。私と母は、よく2人で県内の遊園地に遊びに行っていた。

幼稚園がある日でも遊びに行くことは多く、私が休んだ時は「また遊びに行ったんだね」と噂が流れたらしい。間違いではないが。

その他にも、初登園日にはお母さんと離れたくなくて号泣した挙句バスの運転手に「帰してください」と頼み込んだり、歌を歌う時には「お母さんと歌いたい」と言ったり、まあそれはそれはマザコンの子供だった。


そんな幼稚園時代も、色んな人と遊んでいるうちに、過ぎ去ってしまった。にんじんとは小学校は別で、私の行く小学校には同じ幼稚園の友達は1人しかいなかった。

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