「もし空が恋をするなら陸と海、どっちだろうね?」「星じゃないかな」

藤野ゆくえ

「もし空が恋をするなら陸と海、どっちだろうね?」「星じゃないかな」

もし制御できるものならしているよ怒り悲しみ寂しさなんて

これ以上泣けないほどに泣いているなにもなかった日の夕方に

違います泣いていませんただ少し体の中を乾かしてます

死にたいと思いながらも食べているいつかは生きていたものたちを

「死にたいと口にするのはたやすい」と口にするのはたやすいでしょうね

好きになるからってこんなにつらいなら出逢わないほうがしあわせだった?

絶対に叶わないって思ってた告白したら「お願いします」

読みもせず同意するのと同じでしょ、よく知らないで好きになったの。

息切れの君の声を聴いている一言も聴き逃したくない

泣きたくてでも泣けなくて目薬をさして泣くフリ自分のために

もうタメ語だけれど名前だけはまださん付けで呼ぶ君が好きだよ

「なにしてる、今日の休みは?」「ただずっと君のことを考えてるよ」

ねえ虹が見えてるんだよ。君のとこでも見えるかな? 空を見てみて。

空に火を点けたのは誰? 夕焼けが燃えつきるまでには帰ろうよ。

「今日の月、綺麗らしいけどこっち雨。僕の代わりに月を見ていて」

プラスわたしイコールいくつだろ? 一足す一とまるで違うね。

もしもこの身を半分こできるならふたつとも君の傍に在りたい

君のその目も耳も借りてみたいんだ。君の感じる世界、知りたい。

わたしたち同じ終わりは来ないから今は互いを見つめていたい

新しい星座ふたりで繋ごうよ空の端へとたどりつくまで

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「もし空が恋をするなら陸と海、どっちだろうね?」「星じゃないかな」 藤野ゆくえ @srwnks

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