ショートホラー「心霊スポット」

健さん

第1話

俺は、本来鉄道カメラマンなのだが、巷で、有名な心霊スポットに行って、写真を、撮ってくるのが、勇逸の趣味なのだが、いままで、ネットとかで、調べたり、カメラマン仲間の情報などをたよりに、北から、南まで津々浦々現地に行って撮影した。中には、3,40枚撮っても、1枚も心霊写真が、撮れないこともある。しかし、中には、老婆らしき人の顔が、映っていたり、白い”オーブ”のような、ものとか、”火の玉”など、不可解な、浮遊物が、映っていたり、白い着物を着た若い女性らしき人影が、はっきり映っているのが、多々あるが、”霊”による、霊障などは、今のところ、全くない。ある時、カメラマン仲間の藤井。俺より3つ下の後輩だ。ヤツの情報から、〇×県の△町にある、廃病院。けっこうヤバイらしい。昔、水俣病患者とか、今でこそ、治るといわれているが、昔では、不治の病の結核病の患者が、隔離されていて、おまけに、事故か、故意か、わからないが、何かの原因で、火事になり、ほとんどの患者が、亡くなったとの事。(これは、いいのが、撮れるかもしれないな。)けっこう、多くの、人が、来ると言うので、俺は、土、日を避けて、平日に、その廃病院に向かった。皆、夜になって、暗くなってから、行くようだが、やはり、夜は、怖いから、明るい時間に行った。っていうか、朝。家を6時に出て、着いたのは、8時を少し過ぎていた。おお!なるほど。だいぶ朽ち果てていて、”恐怖の館”そのものだ。ここが、元病院なんて、言われなきゃ、わからない。コンクリート剝き出しで、ぺんぺん草生い茂って、そのコンクリートには、何々参上とか、なにやら、解読不能の文字が、落書きされている。中は、がれきの山で、この部屋が、何の部屋なのかも、わからない荒れ放題だ。俺は、ただ、夢中になって、シャッターを、押した。しばらく撮影していると、んん?何か光ってるゾ。その光っている方向に歩いて行くと、どうやら、白いボール?大きさは、サッカーボールくらいの大きさで、何と言うか、黄金色に、光っているのだ。(なんで、こんなに光っているのだろう?)しかし、綺麗な色だ。俺は、よくわからないが、無性に欲しくなり、その、”光るボール”を、”お土産”に持ってきた。持ってくる途中、何やら、薬?らしきものが、落ちていて、記念に一緒に持って帰った。(やはり病院だったんだな。)家に着いて、そのボールを、机の上に置いた。なんだか、気のせいか、光の度合いが、少し、薄くなった感じだ。しかし、この物体は、何だろうか?まあいいや、追々調べよう。と、その日は、いつもの時間に寝た。すると、♬ピンポーン、ピンポーン♪と、インターホンが。何やねん。こんな時間に。時計を見ると、夜中の2時だ。たまに、今回の情報を、教えてくれた、仲間の藤井が、酒を飲んで、夜中に来ることがあるので、藤井かとおもい、玄関を開けた。ぎゃ~!何だ!着物を着た老人??しかも、頭が、ない?その老人は、「頭を返してくれ~!」と、言った。俺は、玄関ドアを閉めて鍵をかけて、布団に潜った。(多分、寝ぼけてるんだ。くわばらくわばら)と、強制的に寝た。しばらくして、今度は、金縛りだ。しかも、誰か上に乗っている。だが、恐怖からか、目が開かない。しかも、首を絞めてる。さっきの首なし老人か?「頭返せ!」俺は、そのまま意識を失った。朝起きて、(やはり、あの廃病院から、何者かの”霊”を連れてきちゃたのかな?)そして、何気なく”光るボール”を見てみると、ええええ!!頭蓋骨が。あっそうか、この頭の持ち主が、取りに来たのか?俺は、すぐさま、近くの神社に行って、事情を話して、供養してもらった。今回の事で、神主さんから、お説教された。やはり、むやみに、心霊スポットには、行かないこと。あと、記念だからと言って、そこにあるものを、やたらと、持って来ないこと。はい!わかりました。もうしません。本当に、もう行くのはよそうと決めた。あっ!そうだ!薬持って来たんだ。戻さなきゃ。俺は、急いで家に帰り、車で、廃病院に向かった。

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