第11話

中学に上がり、何か変わったか?といえば、変わった事は無いのだが、この学校は番長という、不良の親分が仕切っていた……。番長だとか関係無く好き勝手していた僕達は、早速目をつけられた。不良達は、雄蔵さんの稽古という名の実戦を受けて来た僕達にとっては相手にならなかったが。




発端は、昼休み、僕達が開放されている屋上で弁当を食べていた事である、不良達にとっては。開放とは名ばかりで、不良達が占領して、他の生徒を入れさせていなかった所に、何も知らない僕達が使用していたというのが彼らの言い分で、実に勝手である。


「おい! そこの二人、何、屋上、勝手に使っとんじゃ!」


不良の一人が叫ぶ。


「凌、どうする? やって来たらやってまう?」


「そうだね。何、言っちゃってんですか、先輩? ここは、開放スペースですよ!」


僕は、反論というか、正論を述べた。


「生意気ぬかしとると痛い目遇わすで!」


「じゃあ……、やってみて貰うたらええですわ!」


僕は、不良達を挑発した。


「この!」


「いてもうたる!」


不良達は、10人がかりで殴りかかって来た……、沸点が低い方達やわ……。


結果から言えば、僕達の圧勝だった。多少は当たったけど、かすり傷程度だ。


「さあ、優君、お昼の続き食べよか?」


「そうしよ! 彼奴等どないする?」


僕達は、昼御飯を再開した。


「後で、廊下に放っときゃあええんとちゃう?」


「ほやな! それにしても、彼奴等、威勢だけやったな……」


「ほやな……」




「じゃあ、この人達、廊下に放っとくか……」


「せやな」


僕達は、弁当を食べ終えると、不良達を運び、廊下に放って、教室に戻った。


放課後、いざこざが起きるのだが、それはまた別の話だ。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る