第7話

「退院おめでとうございます。はじめまして? 眞白小明さん……、黒谷凌夜です」


あれから一ヶ月経ち、小明は無事退院出来た。という事で、僕は最近引っ越して来て初対面という設定(おやじとお袋もはじめまして、になってしまったらしい……。おやじとお袋を知ってて、息子である自分の事を知らないというのは、神様?的にも無理があったらしい……)で挨拶をした。


「はじめまして?(はじめまして……、じゃないような気がするんだけど、でも思い出す事も無い……) 眞白小明です」


小明も戸惑いながら?挨拶を返した。


「凌兄ちゃん、久しぶりにサッカーせえへん?」


近所の男の子がサッカーの誘いに来た。子供達には、僕達の事情等関係無いからね。


「ああ……、ええよ」


僕は、承諾の返事をした。


「もしかして、小明姉ちゃん、お誘いする所やった?」


「ちゃうちゃう。偶々会うた所や?」


「そっか、そりゃ良かった!」


子供達には、自分も子供やけど、普通に返さんとな……。




「(あの子達と仲良いし……、お誘いするって……、私は、黒谷さんと仲良かったっけ? ううっ……! 思い出そうとすると頭がズキンズキンと痛む……、何で?)」


小明は頭を抱えながら唸っていた。


「大丈夫? 眞白さん」


「大丈夫? 小明姉ちゃん(何で、凌兄ちゃん、小明姉ちゃんの事、他人行儀で呼んでるん?)」


僕達は声を掛けた。男の子は、小明に声を掛けながらも、僕の顔を覗いていた……。誤魔化しようあらへんもんな……。


「大丈夫です。ありがとう」


小明は、そう言いながら、家の中に入って行った。


「(何で、小明姉ちゃんも? 何か、喧嘩でもしたんか?)」


男の子は、僕の顔を覗き込んでいた……。




「ほな、行こか?」


「うん!(此れは、凌兄ちゃんを問い詰めなアカンな……)」


「(どうするよ、これ? もう、みんなを巻き込むしかあらへんな……)」


僕は、心の中で嘆息した。


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