第1話

「凌君、おはよう!」

学校に出る時には、毎日、恒例となっている挨拶を交わす。

「小明(あかり)、おはよう!」

小明は、一つ年下の幼馴染で、僕が4歳の頃からだから、かれこれ7年の付合いだ。家がご近所で、両親同士も長い付き合いらしい。

僕達は、いつも二人並んで、小学校の集団登校の集合場所へ歩く。

「おはよう!」

「おはよう!」

皆と挨拶を交わして登校する。それが、日常の風景で、変わる事の無い日常の一こまだと思っていた……。彼女が、不治とも呼ばれる病気を患ってしまったのは、この後、数ヶ月も経たない頃の事だった……。正確には、この頃には病魔に蝕まれ始めていた、という方が正しい。

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