神様の子
みちづきシモン
プロローグ
最初に生まれたこの国で神様は、島をたくさん生みました。たくさん生まれた神様の中には色んな形で宿る神様たちがいました。
多くの神様が人の形をとりました。そして、それぞれ天の上で、人々を見守ります。
神様は常に天の上にいました。
あるところに、下界に興味を持つ神様がいました。神様は見守るだけに飽きて、地上に降り立ったのです。
やがて様々な勉強をした神様は、天の上へと帰っていきました。
神様にも男神と女神がいます。二人の神様は、子供を作り、神様の子として育てました。
小さな島で生まれた、小さなその神様の子は、太陽の神様の子に因んで、日衣と名付けられました。
日衣はすくすくと育っていき、やがてその島の守り神として成るように育てられるのです。
いつの日か信仰力をあげて、大いなる神となるために、今日も日衣は勉強します。
長い時を経ても子供のままの日衣に、危機感を覚えた神様は、ある事を提案します。
それはとてもとても、楽しいことです。そして、とてもとても危険なことでした。
それでも神様は自分が行ったことと同じことをさせることで、日衣の成長を促せると信じていました。
神様は力を使い、日衣を下界に下ろします。
日衣の小さな冒険が今始まる。
幼い思考で、それでも神様として思慮深い日衣の行動は、時に大きな波を起こし、波乱万丈の冒険を果たすのです。
神様は日衣を下ろした後、無事帰ってくることを見守る。仕事をしていると、ふと遠くに暗雲が見えた気がして、じっと遠くを見つめる神様。
何故か不安が募るけど、日衣のためにぐっと堪える神様。あの凶兆はなんだったんだろうかと思うと、例え神様であろうと恐怖します。
「大丈夫かしら?」
もう見えなくなっても、日衣がどこにいるかはわかる。大丈夫、きっと大丈夫。
仕事に戻り、日衣の帰りを待つ神様は、日衣の成長のために時間いっぱい下界の勉強をして欲しいと願うと同時に、早く無事に帰ってきて欲しいとも思ってしまうのでした。
その頃、ある人間が何かを感知して驚いていた。
「これは……、やっと運が回ってきたな」
ニヤリと笑った男は、これから先、日衣の冒険の大きな障害になるのだ。
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