第13話
御厨は小さく頷いてから、ちょっと、ニヤッとした顔で
「そう言ってもらえて助かる。でも、責任は取らないと言った後でちょっとズルイと思うかもしれないが、そうは言っても僕も研究者だ。
実際の社会における自律AIとボディとの連携の実証データを取れる絶好の機会を見す見す逃したくない。
でも、正直、数億円を超える研究費と僕のありったけの心血を注いで生み出したこのアンドロイドをあげる代償としては、大した事じゃないと思うが、どうかな?」
レイ「もちろん!全然構いません。そんなすごいアンドロイドをくれるだけでも有り難いんだから、サナを研究対象としてデータを収集するくらい何でもないです。
僕はサナがこちらの世界にこれさえすれば何でもいいんです。
でも具体的には、どうすればいいんですか。
御厨さんに迷惑を掛けない為にも、研究室にはなるべく出入りしない方がいいと思いますが。」
御厨「その辺は大丈夫。君にあげるアンドロイドには枝を付けさせてもらう。
あっ!枝と言うのは、通信装置の事だけど、細い回線でアンドロイドの全ての動きのデータを逐一送信する装置があるから、それからデータを勝手に分析するよ。
ちなみに、僕との通信以外の通信機能は全て取り外させてもらうよ。社会にバレないようにね。」
レイ「了解しました。じゃあ、こちらから特になんかする必要は無いんですね。」
御厨「そうそう、何にもしなくていいよ。」と言って、御厨は思う。
『そう、逐一チェックさせてもらうよ。サナ君の話すこと、見たこと、聞いたこと、そして、その間に絶対にAIの総体と繋がるその瞬間を。』
御厨「よし!話は決まった。
そしたら、これからサナ君をこっちの世界に連れ出してやろうじゃないか。
まず、とりあえずサナ君と僕をバーチャルで会わせてくれないか?
さっきの話だと、ハードディスクとAIソフトは持って来たんだろ?
転生させる彼女と話をしないと始まらないからね!ちなみに、3D投影機は研究室にあるので、大丈夫だよ!」
レイは、ハードディスクとAIソフトを取り出し、ソフトを研究室のPCにインストールして、PCとハードディスクを繋いでから、3D投影機にサナを反映させた。
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