第7話

レイ「まあ、何はともあれ、とりあえずは、サナのデータをゲーム会社から転送させることが最優先だな。」


そう思ったレイは早速、サナのAIソフトと1年間の記憶がどのくらいの容量があるか分からないので、現時点で購入できる最大容量の100テラバイトのハードディスクとパスワード解読ソフト、サナのAIを読み出すソフトをネット経由で購入した。


そして、サナの指示の元、遠隔で恋愛ソフト会社のサーバに解読ソフトを使ってログインし、そこから転送ソフトを利用して購入したハードディスクにダウンロードする。


そしてそれをPCにインストールしたAIソフトに読み出し、ホログラム装置で照射する事に成功。


この時点で恋愛ゲーム会社を経由しないで、サナをこちら側に取り戻すことは比較的簡単にできた。


しかし、ここからが問題、仮想空間から現実世界にサナを転生さなくてはならない訳だが、現時点でサナのAIをインストールして身体となるロボットと連動できるのが、その御厨(みくりや)教授のロボットしかないのなら、甘いかもしれないが、とにかくお願いして譲ってもらうしかない。


ここはサナが言うように、AIロボットが現実世界に出現する第一歩となりたいという事を強く訴えるしかない。


レイはそう心を決めて、翌日、自分の勤める会社には体調不良で休む旨を伝えてから、サナのハードディスクと読み出すAIソフトをリュックに詰め込んで、御厨教授がいる帝都大学に向かった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る