第5話 日常その4
新潟空港に到着
耳鳴りがスゴイ
空港からの移動方法はいろいろあるが、一番メジャーなのがタクシー
今ならタイムズクラブとか使うのかな?知らんけど…
乗り場で待機している一台に飛び乗り住所を伝える
全く知らない土地を走るタクシーに揺られてるとおっちゃんが話しかけてくる
「すごいカッコだねどこからきたの?」
「大阪っすよ バイク便なんで」
「えー?バイク便てバイクで運ぶからバイク便なんじゃないの?」
「ちょっとちゃうっすね、僕らは荷物を最速で届けてるんで、バイクが最速の時はバイクで運ぶっすよ」
「でもなぁそれじゃあバイク便て名前おかしいよねぇ」
「そうすか?でも名前にこだわって新潟までバイクで来てたら僕らお客さんに怒られるっすよ…遅すぎるって」
タクシー内の会話はほぼ全国同じ内容である…そして現地に到着
すぐに折り返すのでタクシーには待機してもらい住所の工場守衛室へ
セキュリティが高いとのことで守衛室前でのご担当者様に受け渡し
ここで善意の守衛さん代理受取りの申し出があるが、バイク便では完全アウトになる愚挙
必ずご担当者様渡しなのである
ご担当者様が手が離せないなど特殊な条件が発生したときのみ代理受け取りはあるが、それもできるだけ早急にご担当者様に渡るよう手配してお渡ししなければならない
今回は守衛室まで出てこられるとのことなので、守衛さんの申し出をやんわり拒否してご担当者様を待つ
「早かったねー電話してから2時間?」
「そうですね、ちょうどそれくらいですね」
「え?バイクじゃないんだ?」
「ええ、飛行機使ってきましたから」
「そうだろうなぁ大阪からバイクで2時間だととんでもないスピードだもんなぁ」
「完全に速度超過ですね!」
定型文な会話のやり取りの後、荷物をお渡ししてサインもらって終了
待たせていたタクシーに飛び乗って帰路につく
タクシー内で終了報告
「ご担当者様で終了です」
「お疲れー帰りの予約取ってるんやけどなぁ」
「新潟から伊丹は午後から一本しか飛んでないんよ」
「まじすか…それまで…」
「遊んどって(笑)」
おいおいまじか
何して遊べっちゅーねん
全然知らん土地で、こんなおもろいカッコして……
バイク便の一日はこうして過ぎていくのである
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