死にたがりお嬢と寂しい殺人鬼

@zharu0305

プロローグ

「ねぇ、おじさん」

少女が一人、海へ語りかける。

「そっちはどう?たのし?」

よく見ると手には小さな袋を持っている。

少女はそこから何かを一掴みし、海へ放り投げた。

何度も、何度も何度も。

袋の中身が全てなくなるまで、それは続いた。

「お仕事道具は私が預かっておくから。また会ったら渡すよ」

それから彼女は小さなペットボトルを海へ投げ、少し笑った。

「またね!」

少女は踵を返して浜辺を走って去っていった。

彼女が去った海は、いつもよりキラキラして見えた。

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