夏雲や画面越えたる終の笑み
今からちょうど1年ほど前です。
入退院を繰り返していた父の容態があまりよくないとのことで、家族で帰省をしました。
当時、父は微熱が続き、食事がとれず、リハビリもできないという状態で、鼻から酸素を吸入していました。
当然、新型コロナへの感染の恐れがあるということで面会はできませんでした。
ただ、せっかく遠方から来たのだからという主治医の特別な計らいで、リモートでの面会を許可してもらいました。
西日のさす病院の会議室に用意されたモニター越しに、痩せて生気を失った顔の父を見ても、私たち家族は何もすることができませんでした。
せめて笑ってもらおうと私と娘で冗談を言ったり、変顔をしたり。そしたら、笑ってくれたんですよね。
そして、呼吸が苦しい中、私の妻に「いい子に育ってるね、ありがとう」と小さな声で言ってくれました。
それが父の笑顔を見た、父と話をした最後の機会になりました。
1か月もたたないうちに容態が急変し、あっという間に逝ってしまいました。
JUJUの「東京」のMVを見ていたら、ふとその時のことを思い出し、一句詠んでみました。
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