ENDOF THE BOND 〜彼女がNTRたのだが〜

アキノリ@pokkey11.1

第一章 許せない

浮気をされた時

第1話 殴られた日

俺の名前は山形咲(やまがたさく)という。

黒髪の短髪。

右耳にイヤリングを嵌めている。

少しだけヤンキーな感じの性格の俺。


そんな俺、咲には一応.....彼女と呼べるべき存在が居て.....いや。

居た、と言える。

のだがその彼女に裏切られた。


ある日の事だが俺は帰り道にその浮気現場を目撃し。

それから俺は彼女に声を掛けたのだが。

横に居た別の男に殴られた。

そして、情けな〜、とか言いながら2人は去って行く。

その女の名前は、鍋島和穂(なべしまかずほ)。


茶髪であり.....俺の愛しい人だった。

今はもう違う。

ただ妬みの対象としか見れない。


顔立ちは相当に可愛く。

そして天使の様な笑みが最高だった。

だけど今はもう悪魔としか感じられない。


「.....バカだな。俺も大概」


そんな殴られた傷を痛ませながら土砂降りの中、歩いていると。

目の前から、山形くん?、と声がした。

顔を上げるとそこに.....同級生の、横山沙羅(よこやまさら)が立っている。


顔立ちが人形の様で.....優しげな目。

そして天然のゆるふわウェーブのかかっているしなやかな髪。

長髪と言える。

本当に優しげな顔だと思う.....が。


俺を見ながら驚きながら傘を投げ捨てる。

そして俺に縋って来る。

その目には涙を浮かべていた。


「どうしたの!?何でこんな土砂降りの中.....ボロボロなの?」

「.....いや。.....何でもない。有難うな」

「.....そんなの.....」

「濡れちまう。.....お前が。.....取り敢えず傘.....」


そんなのどうでも良い。

今から私の家に来て、と言ってくる横山。

俺は、!?、と思いながら横山を見る。

すると横山は涙を浮かべながら、良いから、と言いながら俺のビショビショで濡れている腕を引いた。

それから俺を引っ張って行く。


「ちょ!ちょっと待って!俺は不良だぞ!」

「そんなの関係ない。クラス委員として見過ごせない」

「.....いやいや。でもお前の家って.....」

「大丈夫。私の家は一人暮らしだから」

「.....え?」


俺は、!、と思いながらその姿を見る。

すると横山はニコッとしながら俺を連れて来た。

それから玄関のドアを開ける。

そこはマンションだった。


「.....横山。良いのか」

「良いから。入って。早く。着替え出すね。治療薬とかも」

「すまない。何から何まで世話になって」

「良いから。早く風呂に入って。あったかいお風呂。じゃないと.....風邪引いちゃう」

「.....じゃあ拝借するよ」


そして俺は思ったが。

よく考えてみればこの家は女子の家だ。

それは.....如何なものか、と思うのだが。

だが、入れ入れ、という視線に負けてから俺は入る事にした。


「脱いだ服は洗濯する。.....だ、だから.....ゴメン。男の子の服はお父さんが持っていたものしかないけど」

「あ、ああ。それで良いよ。わざわざすまねぇな」

「気にしないで。良いから入った入った。早く」

「.....ああ。じゃあ借りるな」


それから俺はされるがままで入って来た。

そして何分か痛みに耐えながら入ってから横山の親父さんの服を借りる。

そうしてから横山の前に出ると。

横山は、じゃあ治療するよ。似合っているね。その服、と言ってくれる。


「ああ。有難うな。.....ところでお前のご両親は」

「亡くなった」

「.....え?」

「岸壁から飛び降りた。.....お父さんもお母さんも」

「.....そんな.....」


理不尽だよね。私だけ残してさ。

と言いながらも、早く座った座った!、と誘導する横山。

それから俺をソファに座らせてから、痛む?、と聞いてくる。

俺は、そうだな。殴られたしな、と答える。

それは何処のどいつがやったの?、と眉を顰める横山。


「.....まあちょっとな。言えない」

「喧嘩って事?」

「そうだな。そういう事にしておいてくれ」

「.....許せない」

「こんなのしょっちゅうだよ。俺にとっちゃな」


でも.....山形くんは根っからは良い人だから。

こんなの許せない、とまた複雑な顔で眉を顰める横山。

俺はその言葉に何だか誤解されている様で頬を掻く。

それから苦笑いを浮かべる。

俺はそんなに良い人じゃない、と言いながら。


「そんな事ないよ。だってあの時だって.....」

「.....あの時?」

「.....あ。な、何でもない。.....ゴメンね。よし治療しようか」

「お、おう?」


そして横山は消毒セットで俺の頬とか膝とかを治療した。

少し滲みたが。

ラッキーな事に横山という可愛い顔が近くに寄って来た。

何だか最高な気がする。


「.....制服乾くまで家に居たら?」

「でも.....良いのか。俺がお前の親父さんの遺品を着ている」

「.....良いの。.....私は貴方なら」

「.....???」


よく分からないが取り敢えず親父さんの匂いが取れてしまう前に早く制服に着替えてあげないとな。

そう思いながら絆創膏とか貼ってくれる横山を見る。

そして聞いた。


「.....何でご両親は自殺なんかしたんだ」

「私の親は借金を抱えていたの。人に騙されてね.....だから死んだ。全てをチャラにする為に」

「.....信じられない。.....俺だったら地の果てまで追って殺すよ。そんな逃げる得は許せない」

「アハハ。有難う。そう言ってくれて」


モジモジしながら、優しいね、と赤い顔で言ってくる横山。

何だコイツ、と思いながら俺は鼻を弄りながら横を見る。

それから俺は外の土砂降りを眺める。

困ったな.....帰れない。

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