春に君の墓へ行く

花山院 青藍

第1話 悪夢

「ねえ紫稀しき。」


「ん?何?」


急に立輝りつきが俺に話しかけてきた。


「もし俺が明日死んじゃったらどーする?」


「は?なわけあるか(笑)」

「どうせ死にそーになっても根気で立輝は生きるだろ?」


「あはは(笑)なにそれ俺のイメージどうなってんの?(笑)」


いつもの屋上。いつもの時間。いつもの会話。

ずっとこの先も続くと思っていた。

当たり前だと思っていた。

それでも、それをいつもだと思っていたのは

俺だけだったのかもしれない。


「ひとつだけ紫稀にいいこと教えてあげる。」


「え,何?もしかしてお前の好きなやつとか?(笑)」


「はぁ?違うし(笑) 一回しか言わないからよく聞いといてね?」


すでにこのときにはもう始まっていたんだな。

いや、もっと前から。俺が知らないうちに

立輝はすごく大きなものを背負って生きてたんだ。

気付けなかった俺が不甲斐なさすぎる。かっこ悪すぎる。

ああ、お願いだ。言わないでくれその言葉を。

全てはそれのせいで……。

俺もっ…俺以外のやつらも…全部全部狂ったんだ。

知らないほうがよかったのかも知れない。

そしたら、今頃俺は……。でも……。

もう始まったからには止められない……よな?立輝?



「あの…さ……」

「春になったらまた会おっ!!」



第2話 百箇日

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