誘いの異香(4)

 エッセンゼーレによる重症を負っていたダスカ君が急速に目を覚ました。

 寝ている時の唸りにシーツが染みる程の大量の汗からきっと恐ろしい悪夢を振り払おうと無理矢理意識を呼び戻したんだろう。

 しかし激しい上体起こしの反動に軋んだ肉体が耐えきれず短く苦しみを漏らす。


『まだ起き上がるな。無理せずベッドに横たわるんだ』


 ウィンドノートからの労りを受けても尚、ダスカ君は大人しくベッドに戻ろうとせず急に慌て始めた。


「あっ、そうだ・・・・・・!! 森に置いてしまった奴がいるんだ!! あいつを、あいつを助けて」


「ご心配なく。僕が保護させて貰いました」


 ダスカ君の隣、ウィリアムさんが近くで見守る同じベッドの上にはリラックスした寝息を立てて眠る女の子、ぺーシェイちゃんがいた。

 ウィリアムさんの報告ではダスカ君の願い通り、保護した噴水広場からかなり離れた大木の転がる森にはぺーシェイちゃんが震えて蹲っていたと言う。

 幸い、彼女のダメージは肉体と精神の疲弊だけで充分な休息を取れば問題無く退院出来るそうだ。

 医師からの吉報を聞いたダスカ君は自分の事の様に喜びとても安堵していた。


「それにしても意外ですね。エマさんが医師免許を持ってたなんて」


「自分でもびっくりしてるよ。絵描きで売れなかった時の備えで取ってた奴がまさかこんな形で活躍するなんてさ」


 アーテストタウンの医療従事者が治療の手伝いを募った際、エマさんが立候補した時の驚きは今でも忘れられないよ。

 なにせ教科書には芸術家の側面しか書いて無かったから。

 特に真価を発揮したのは抉れた左腕の治療。

 この世界は自然治癒が現世よりとても早く、大抵の人は医療機関に頼らずとも大抵の怪我が完治し、一般人でもそこそこ鍛えてる人ならば一時間くらいで骨折なんかの重症も治る。

 けどバレットファントムみたいに怨恨を使う手合いの攻撃は積み重なった嫉妬が怪我が治る幸せを阻害し、一生離れる事は無い。つまり怨恨という名の腫瘍を取り除かない限り、完治にはならないし再び焼ける様な痛みを味わうのだ。

 治療に用いられるのは怨恨の素を探る為の僅かな医療器具と浄化に必要な温かな感情。

 並の医者ではミリ単位の極小サイズに変えて痛みを軽減する程度だが、エマさんと腕の立つアーテストタウンの医療従事者達が力を合わせた事で怨恨は見事に消滅。

 ダスカ君の左腕は徐々に肉が形成され後、数時間もあれば元通りと言ったところだ。



 岩壁に囲まれた薄暗い小さな空間。

 心許ない小さなガスランプの明かりを頼りに野盗の男達が多額の依頼料で買った酒を片手に豪快に笑いを発生させている。


「へぇぇ、で、エッセンゼーレをこき使ってもガキ二人に逃げられたか!! はっはっはっ!!」


 子供は非力という固定概念が染み付いている野盗達にとって依頼主が子供に逃げられた話は酒のツマミになる笑い草であった。

 一度も犯した事の無い失態を晒した聖女は生温いビールを流し込んでから頭を抱える。


「笑い事ではありません。はぁ・・・・・・ 強引に取り返す訳にも行かないし」


「まーた代わり探して来いってか? 傷心した心を埋めてくれるとびっきり可愛い奴をってさ? サリッサ・アマスさんよぉ」


 ヨーロッパ出身だった黒の修道服に身を包んだ聖女もどき、サリッサ・アマスが下品に騒ぐ野盗と手を結んだのはつい最近の事だ。

 生前に執行された死刑で人工的な終幕を迎えたサリッサはエクソスバレーに漂流早々、謎の老紳士から自然領域の危険要素の半分を占める化け物、エッセンゼーレを従う力と特別な香料のレシピを受け取った。

 以来、彼女の願望は面白いほどに容易く実現されていく。

 エクソスバレーに来たばかりの子供にエッセンゼーレを遣わせては三文芝居で撃退した様に演じる。

 合わせて新天地の居場所が無い子供に自分の教会で面倒を見ると優しく声をかけてこっそり自分へ預けた信頼の深さで夢見心地が変化する特別な香料を嗅がせれば、サリッサの生きる意味がまた一つ刻まれていく。

 こうした手段で集めた子供の数は十五人。

 だが、それで満足出来る程、サリッサの欲望は浅くなかった。

 もっと多くの子供に囲まれたい、もっと多くの子供から存在を肯定されたい。

 生前と同じ願いに突き動かされる彼女の耳に入ったのがアーテストタウンで開催される子供向けの散歩イベントであった。

 風の分身による徹底的な調査の成果は "毎日十五時の開催"、 "その内の三十分は一つの施設に滞在する自由時間" 、 "参加する子供は十人以上いて半数の子供は毎回参加している"、 "引率する保護者は大体四、五人" の四つ。

 どうせなら全員を持ち帰りたいが分身を合わせても一人で十人を運ぶのは流石に限界がある。そこで目を付けたのがそこらの遺跡の残骸でたむろするちんけな野盗達であった。


「子供の保護に協力して欲しいの。私に付き従えばエッセンゼーレを恐れる必要は無くなるんです」


 そこそこの小銭が入った袋とエクソスバレーを生きる者にとって破格の条件を投げたサリッサは見事、神隠しにも似た子供の一斉誘拐を達成する為の人材を獲得した。

 慎重な準備を重ねた決行は文句無しの大成功。

 野盗の一人が散歩の集団を尾行し、頃合いを見計らってサリッサが少し濃いめに調合した香料とエッセンゼーレを放出しその隙に子供達を教会まで運搬する。

 大仕事も終わりこのまま幸せな生活が送れると思っていた。

 昨日のアクシデントが起きるまでは

 保護した子供達、ダスカ・マッカレイとぺーシェイが幻覚を打ち破り教会から逃げ出したのだ。

 しかも子供に危害を加えるなと命令を下したにも関わらずエッセンゼーレの馬鹿がダスカに大怪我を与えている。

 おまけに|怪我の治療サリッサの存在意義も拒絶され、彼女の平穏は崩壊を始めているのだった。

 こんな安酒で酩酊の世界に身を委ねても一時の忘却にも至らないが何もしないよりはマシだとサリッサは刺激皆無のビールを勢い良く全て胃の中に流し込んで行く。


「そうそう、追加の報酬はいらねぇぜ。俺達、自然領域でしか生きられない野盗にとってエッセンゼーレの行動を考慮する必要が無くなるのは、ついででくれた金よりも価値があるからな」


「あれはオタクが最新のフィギュアや電子書籍を買う為に使う代価と同じ物ですから。気にせず受け取ってください。それと条件は忘れてませんね?」


 サリッサが差し出す空のグラスに新たな一杯が注がれる。


「わーってるよ。子供に危害加えるなってんだろ? 言われなくとも割れ物を保護する様に大事に扱うさ。激しく抵抗されたらちょいと厳しいかもしれんが」


 頭巾越しからでも分かる本気の殺気を察知した野盗は苦笑いで誤魔化す。


「冗談だって。それより知ってるか? アーテストタウンに新たな子供霊が漂流したってさ」


「相変わらず良い耳してるわね」


 懐から飛び出た写真には眼鏡をかけた八歳ぐらいの女の子単体と街角の景色が写っている。

 カメラを意識していない位置取りと調査で見た事ある特徴から野盗の一人がアーテストタウンで隠し撮った物だとサリッサはすぐに理解する。


「名前はニコール・アステル。八歳で難病にかかり治る事無く逝去。知的好奇心が強く、アーテストタウンに点在する遺跡の歴史を調べたり最近は自然領域内にある脱出ゲームに強い関心があるらしい」


 毎度の事ながらプライバシー皆無の緻密な情報をどこで仕入れているのか?

 この男には優秀な情報網があると聞いたからこそ雇った訳だが敵に回さなかったのは後悔の無い選択だったとサリッサは染み染み思う。


「確かに可愛い子だけどなんでこの子にしたの?」


「決まってるだろ。次に保護しやすい対象だからだ。

 こいつは普段、部屋で勉学か読書に没頭する典型的な真面目ちゃんだが、内気な性格よりも好奇心が勝る性格だから疑問を持てばとことん追究する。

 人間、一番探究心が高い時期は無知な子供時代だからなぁ」


 野盗の得た情報によると十人の子供が行方不明になったアーテストタウンは現在、集団散歩を禁止し大人同伴としても子供の外出を固く禁じてる。

 これ以上の被害者を出さない為の緊急の施策としては妥当な物だろう。

 しかし抱えた疑問を放置する事を嫌うニコールは町民が寝静まった時間帯を図って郊外調査に出かける計画を立てているそうだ。

 勿論、秘密裏で行う計画なので周りに同伴者もいない。集団散歩よりも簡単な保護になるのは明白であった。


「ま、あくまで決めるのは依頼主のテメーだ。他にも候補はいるし簡単に保護出来る奴ばっか」


「決めたわ。ニコールちゃんを保護しましょう。けど、貴方達は情報提供だけでお願いします」


「・・・・・・んじゃ、新たな仕事の成功を祈って乾杯とするか」


「今日は充分よ。そろそろ帰って寝かし付けの絵本を読まないと。それと材料集めも怠らずに」


 凹凸おうとつのある不便な床に小銭を垂らすと野盗達が歓喜に溢れる。

 汚らしい喜びの声を背に受けながらサリッサは密会場を去っていった。



「ダスカが帰って来たって本当ですか!?」

 

 豪快に扉が開けられ、医務室に入って来たのは真紅の炎を体現した様な女性だった。

 ルビーみたいな美しい情熱の赤い髪をポニーテールに束ね、黒いタンクトップとサイバーパンクなショート丈の白パーカーを着合わせた女性はダスカ君の師匠をしている元ボクシングチャンピオンの華仙かせん七実ななみさん。

 包帯に巻かれたダスカ君を発見するや否や周りを押し退けてベッドに体重をかける。

 掛け毛布が破裂しそうな程、力強く掴む握力から彼女の怒りがひしひしと伝わる。

 命が無事だったとはいえ愛弟子が酷い怪我を負って帰って来たのだから気持ちは痛い程分かってしまう。


「酷い・・・・・・ 誰がこんな目に遭わせたのよ?」

 

「ちょっと落ち着いてよお姉さん。そんなに鬼気迫った顔してたらダスカが休まらないよ」

 

 体躯に似合わぬ元ボクサーにも劣らないエマさんのパワーに溢れた説得は華仙さんを引き下がらせる事に成功した。

 

「良かった、無事だったんだな。ナナミ」

 

 自分よりも落ち着いている愛弟子の安堵を見た華仙さんは昂りを抑えて普段の状態に繕い直す。


「当然でしょ? 師匠はこれでもUNdead社員ですから!! ってそれよりもダスカ、誰にやられたのか教えなさい!! 私がすぐにぶっ飛ばしてやるから!!」


 今にも食って掛かりそうな剣幕で華仙さんが近寄ってもダスカ君は頭を抑えながら困り眉を作っていた。


「それがさぁ、全く覚えてねぇんだよ。まるで夢でも見てたみたいに記憶が消えてて」


 え? 嘘だろ?

 もしかしてと私はダスカ君が気絶する前に呟いた一言について問い掛けてみた。


「で、でもこの地には恐ろしい聖女がいるって言ってたよね? それすらも覚えてないの?」


「・・・・・・俺、あんたにそんな事言ってたのか? 悪い。覚えてない」


 これ以上、彼の療養の時間を削減してはいけないとウィンドノートからの尤もを受け、私達は医務室を後にした。

 ダスカ君は本気で戸惑っていて、冗談を言って空気を茶化した様子は無かった。

 それじゃあ私とウィンドノートが聞いた犯人に繋がりそうな手掛かりは寝言って事なの?

 でもさっきまで事件に巻き込まれた被害者として壮絶な体験をしたはずなのにすぐ忘れるだろうか?

 先輩達も心当たりの無いケースらしく誰一人してピンと来ていなかった。


「記憶喪失。使用者への配慮を考えてない香料には良く含まれる副作用」

 

 いつの間にか壁にもたれかかっていたアリアちゃんが相変わらずの無表情で説明する。

 その隣にはパートナーのナーシャさんもいて、気さくに労いの挨拶をかけてくれる。


「あれ、アリアちゃんにナーシャさん? いつからここに?」


「隠密行動は私の十八番。スイにもエマにもウィリアムにもナーシャにも、簡単に悟られない自信がある。霊獣は分かんないけど」

 

「さっき、集団散歩に参加していた大人達からの情報収集を終えて医務室に被害者が帰って来たって聞いたからさ。あたしらも様子見に来たってわけ」

 

「そっか〜 でも一足遅かったね。今日のお見舞いはさっき終わったんだ」

 

「いや、あたしらの目的はそっちじゃないんだ。そりゃダスカの容態も気掛かりだけど一時的に|アーテスト地方ここらの治安を預かる身としては退院するまでに平穏に戻すのが一番の行動だと思ってっからさ」


 流石、エクソスバレー全域の治安を守る鎮魂同盟らしい大義を掲げたナーシャさんは持ち前のフレンドリーな性格と通訳者をしていた生前と変わらない流暢な話し方で培った慣れた手際で壁際で黙り込んだ華仙さんに近付いた。


「そんな訳でさ、七実さん。あんたが覚えてるダスカに関する記憶を出来る限り話してくれないかい?」

 

「え? ダスカの? 集団散歩の自由時間で鍛錬してて帰る時間になったらあの子、眠った様に急に倒れたの」

 

「それから?」

 

「それから・・・・・・ 周りの子供もダスカみたいに一斉に倒れたのに大人達はみんなぼーっとしてて、平気だった私の周りにだけバレットファントムが周囲を囲んだから迅速に潰して」

 

 一人で勝手に納得したナーシャさんは確信を得た笑みを浮かべる。

 

「アリア、ぴったり当てはまったね」

 

 アーテストタウンの大書庫から借りた青表紙の本、『危険な香り』を捲りながらアリアちゃんが該当項目を語る。

 

「ん。使われたのは "ヴァニタス"

 桃やレモンなどの甘いフルーツとミントの清涼感が混ざった心地好い香りが特徴。

 しかし多量に吸えば昏睡に近い気絶をした後、調合者本人への信頼次第で変わる幻覚作用を齎し、新鮮な空気を吸ったり水を浴びたりして香りが全て抜け切ると幻覚中に見た出来事が脳裏に封印された様な記憶障害が発生する」


 いかにも犯罪を有利に進める為に作られた効能だね。そんな発明出来る頭があるならもっと世の為に使ってくれよ。


「それ、僕聞いた事あります。確か過去のエクソスバレーで広く布教された宗教が強制的信仰に引き込む為に使ったとされる禁断の香料だとか・・・・・・」

 

 ウィリアムさんは過去の歴史書から調べたヴァニタスの最盛期の恐ろしさを語ってくれた。

 本来は司祭の一言一句を従わせる為に嗅いだ瞬間、まるで魂が抜け落ちた様に対象の感情と自我を封印しほぼ物言わぬ屍みたいに一変したとか。

 それからは友人、家族の宗教勧誘など限られた場面でしか以前と同じ振る舞いを許されず、みんな司祭に言われるがままに邪神を崇拝し様々な財産を犠牲にしてまで寄付をする。

 エクソスバレーにとっての黒歴史はとある少年の勇気が起こした水かけによって終止符を打たれるまで約六十年続いてしまった。

 幸いと言うべきか香料の調合に必要な材料は殆どが入手出来ず人工栽培に成功した話も聞いた事無い。

 その為、本の記載と同じ危険性は無いらしい。

 そう聞くとダスカ君達があの恐怖を味あわずに済んで良かったと安心で少し心が緩んだ。


「さっき香水作りが趣味のお姉さんから聞いたら、アーテスト地方には香料の材料を集められる観光資源にもなってる自然豊かな山があってその山で採取出来る素材で似た香料を作れるんだってさ」


「ついでに補足。ヴァニタスは素材を抽出して調合するから大量生産出来ない。いっぱい出来てもほぼ使い切りの量」


 つまり、犯人が常習的に香料を使ってるなら材料を取りに山に現れる可能性があるって事か。

 ダスカ君が上の空で呟いた聖女とやらに会えるとは限らないけど事件の足取りを掴む為にも調査しに行くべきだろう。


『だが、全員で登山する訳にもいかんだろう。リューク殿の仕事を果たす人材も少数残さねば』


 あぁ、定期的な人工領域の巡回か。

 街中に紛れてるかもしれない不審者やこっそり外出しようとする子供を見つけては注意して欲しいってリュークさんに頼まれてるからな。


「では僕が残りましょう」


「ん。巡回は私も同行する。山登りはあんま好きじゃないし」


「それじゃあ、ウィリアムとアリア以外は登山参加って事で。明日の夕方に向かうから各自、身体を休めるようにね」


 明日の予定も決まり、一時解散しようと区切りを付けた時、華仙さんが割り込む。


「私も連れて行って。弟子が酷い怪我を負って帰って来たのにお返し出来ないなんて嫌なの。勿論、足手まといにはならない」


 真摯にお願いする華仙さんだけど、ナーシャさんは了承しずらそうな渋い顔で華仙さんを覗き込む。

 それもそのはず。華仙さんのナチュラルメイクで誤魔化した顔に疲れが溜まっているのが一目瞭然だったからだ。


「うーん、気持ちは分かるけどUNdeadってのはやつれた顔をした社員が働くのを許すのかい?」


「社長はそんなの絶対許さないよ」


 速攻で返すエマさんの断言に私達、UNdead社員は納得する。

 "才能、態度関係なく想って働く社員こそが会社の宝"

 桐葉さんが良く口にする会社の理念を聞くと華仙さんははっとする。

 優秀だろうが凡才だろうが会社を思って尽くしてくれる社員をかけがえのない財産だと考える彼なら身を削ってまで働くなんてブラック企業みたいな社員の勝手は絶対に許しはしない。

 それでも愛弟子を傷付けた犯人に一矢報いたい華仙さんは腑に落ちてないが。


『本来ならば休暇だったのだろう? もし、休めていないと知れば桐葉殿の理念に感銘を受けている貴殿の上司はなんと言うだろうか』


「じっとしてられないならダスカの傍にいてあげればいい。彼の話し相手になってる間に私達が事件を終わらせる」


 これだけの説得が押し寄せれば流石の華仙さんも折れざるを得なかった。


「・・・・・・分かったわ。けど街を回るには案内人はいるでしょ? 巡回には参加させて」


 溜め息を付きながらも労力の少ない仕事に絞り、休息に努める事を決心した華仙さん。

 彼女の信頼を裏切らない様に必ずこの神隠しを解決に導かないと。


 誘いの異香(4) (終)

 

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