第11話 ショッピングからの試したいこと
アヤネとユアは公共館を出てから最初にポーションなどのアイテムショップに行った。
「アヤネ~、どんなポーションが役に立つかな。やっぱり毒無効ポーションとか?」
「そうだね。買っておいて損はないと思うよ。私はユアのおかげで思いついた突破口を試すためにMP回復ポーションを買うよ。」
「そっか~。私は状態異常の無効ポーション全種類買っとこ。毒に...麻痺に...睡眠に...気絶に...って、あれ?このポーションってあんまり意味ない?」
「そうだよ、状態異常になる前に飲んどかないと意味ないもん。まあ、毒ならダメージ入ってからでも間に合うけど。」
「だよね。なら毒だけにしとこ。あとHP回復ポーション。私はこれだけ買っとくよ。」
「私はMP回復ポーションだけで良いや。とりあえず10本。他に良いアイテムないか探してみよ?」
「そうだね。......んーアヤネ、このお札、どう?」
「どれー?」
「これ!!」
ユアは5種類のお札をアヤネに見せた。
「うーん、魔法が使えない人には良いかもね。私は魔法使えないけどいらないかな。」
「私、これ買おっかな。私の攻撃ってこの刀で斬るだけだし。」
「ユアはスキルもまだまだ取ってないんだからスキルを取ってからでも遅くないと思うけど。」
「そっかー、なら一旦保留にしとこうか。」
「うん、そうしときな。」
「じゃあ、お会計しにいこっか。」
「そうだね。」
♢♢♢
会計を済ませたアヤネとユアは次にアイテムショップで話したスキルショップに行くことにした。
「スキルって買えるんだね。」
「まあ、どれだけプレイしてもスキルが貰えない人とかもいるんじゃない?」
「悲しいね、その人。」
「このまま行けばユアも似た状態だけどね。」
「私はあるじゃん!!【土の覇者】と【土操術】が!!」
「それでもその何個だっけ?8個?だけでしょ。」
「そうだけど、まだ初日だし!!」
「まあ、気長にやっていこう。」
「ここかな?」
「ここじゃない?」
カランカラン
「うぉぉ、巻物ばっかり。」
「私は逃げる用のスキルか隠れる用のスキルか騙す用のスキルで良いのがあったら買おうかな。」
「アヤネの戦闘スタイルって基本'私は戦わない'って感じだよね。」
「そうでもないよ。相手の意表を突くというか隙を出させるというか。」
「あ~、確かに。今日だって一緒に戦ってても...あれ?ってなっちゃったもん。味方の意表も突くプレイだね。」
「誰にも行動を予想されないプレイヤーかぁ。....アリだ!!アリ寄りのアリだ!!トップオブザアリだよ!!じゃあ、選んでくるよ!!」
「.....そういえばこういうのが好きだったの忘れてた。私も選ぼっか。」
ユアは攻撃用スキルの棚に近づく。
「うーん、どうしよ。さっきのお札、MP使わずに魔法使えるお札だったしな~。超便利だったからな~。でもアイテム袋から取り出すのに時間かかるのか。ならスキルで取っといた方が良いのかな?悩むな~。ここでスキルを買いすぎたら今後の私のプレイスタイル決まるし、悩むな~。どうしよう。今はアヤネに聞いてもまともな答えが返ってくる気がしないし、うーん、とりあえず攻撃力が上がるスキルがあったら買っとこうかな。」
♢♢♢
ユアがめちゃくちゃ真剣に悩んでいた頃、アヤネは逃走系スキル、隠密系スキルを端から端まで見まくっていた。
「これは...ダメ。これ...もダメ。これもダメ。これもダメ。.......無い!!良いのがない。私が今持ってるスキルが有能すぎてここで売ってるスキルがどれも使えない気がする。今、思ったけど私って奇襲性が高いスキルばっかりだな。忍者は単純な戦闘力は低いし、仕方ないのかもしれないけど奇襲が成功しない=イコール私は負ける、だからな~。戦闘力を上げるスキル買っといても良いかも。よし、攻撃用スキルの売り場に行こう。」
♢♢♢
アヤネが攻撃用スキルを見にくるとユアが真剣に悩んでいた。
「ユア、どした?」
「どのスキルを買おうかなと思って。」
「そうだよね。ユアはここでスキルを買ったらそれに沿った戦闘スタイルになるもんね。新しいスキルを手に入れない限りは、だけど。」
「そう、だからSTR値上昇とかのスキルを買おうかなと思って。」
「なるほど。」
「アヤネは?何か良いのあった?」
「ない。私が持ってるスキルが強すぎて雑魚スキルにしか見えない。」
「まあ、アヤネは奇襲性が高いスキルばっかりでその全てが強力だもんね。」
「そう。もうちょっとスキルを取ってから【ONLY ONE】シリーズを貰いたかった。」
「私は【囮】しかない状態で【ONLY ONE】シリーズを貰ったけど?」
「私は【釘付け】と.......だけだったかな?」
「私は良いのあったけど買って後悔したくないんだよね~。」
「あ、じゃあ、こうしよう。私がユアに良いスキルを探してユアは私に良いスキルを探す。どう?」
「確かに。自分じゃあ気付いてない弱点を補えるスキルをお互いに探す方が良いかも。」
「でしょ。じゃあ、私はここで探そうかな。」
「私は逃げたり、隠れたりする方面のスキルから見てみるよ。」
「オッケー。」
ユアはさっきまでアヤネがいた逃走用スキル棚に向かう。アヤネは今、来たばかりの攻撃用スキルの棚を見回す。
「ユアは....弱点あるかな?状況把握くらいしか思いつかないんだけど。なら攻撃用スキルよりも索敵とか攻撃を躱すスキルとかの方が良いのかな。だったら逃走用スキルになるけど大丈夫かな。STR値上げたいとは言ってたけど。ま、一旦ユアに聞いてみよ。」
アヤネはユアのところに行くためにもう一度逃走用スキルの棚に向かった。
ユアは逃走用スキルの棚から次々と巻物を手に取っては棚に戻す作業を繰り返していた。
「確かにアヤネに必要そうなスキルはないかも。でもアヤネは攻撃力が低いから...というか武器のSTR値しかないから上昇も意味が無いのか。パーセントで上がるから0は何パーセントになっても0だし。あ、これとか良さげじゃない?よし、これをアヤネに見せに行こう。」
ユアがアヤネがいる攻撃用スキルの棚に行こうとした時、アヤネがやって来た。
「あ、アヤネ。良いのあったよ。」
「え?ホント!!」
「うん、これなんてどうかなって。」
「【クライシスディフェンド】、自分が死ぬ攻撃を受ける時にその攻撃のSTR値を上回るVIT値になり、防御する。その後、3秒間、硬直する。うーん、能力は良いけど硬直が痛いね。その攻撃は躱せても硬直で死ぬね。パーティーを組んでるならなんとかなるかもしれないけど。あ、でもスキルは使えるのかな。ありがとう、ユア。買っとくよ、このスキル。」
「ホント!?やったね。」
「それでね、ユア。ユアって状況把握苦手でしょ。」
「そう、だね。うん。」
「それで状況把握が出来てなくて思わぬ攻撃がくることあるでしよ?」
「うん。」
「それに対応出来るようなスキルを買ってもらいたいの。」
「アヤネの【変わり身】みたいなのってこと?」
「まあ、そう。」
「そんな良いスキルをここで売ってると思う?」
「ない。但し、使い方による。」
「えっと、どうゆうこと?」
「このスキルなんだけど、」
アヤネは棚から1つの巻物を取り出す。
「これ?」
「そう。【リターンポジジョン】。このスキルを発動した5秒後に発動した場所に瞬間移動するの。」
「えっと、つまり発動して前に進んだら発動した場所にいるの?」
「そういうこと。これはホントに使い方次第で有用性が変わってくるから。ユアなら使いこなせると思うけど。私は一応、買っとく。」
「そうだね。使うタイミングさえ掴めば意外と使えるかも。ありがとう、アヤネ。」
「どういたしまして。私もユアに説明したら欲しくなっちゃった。」
「なら、お会計行こう!!」
「行こう!!」
2人はスキルの会計を済ませるとアネが「試したいことがある。」と言ってスキルショップの裏に行った。
「それで、試したいことって?」
「まずは、【忍具生成:麻痺手裏剣】。」
アヤネはMP回復ポーションを使うと早速、手裏剣を作り出した。
「それをどうするの?」
ユアが問いかけるとアヤネはニヤッと口角を上げると手裏剣をインベントリに入れた。
「やった!!できた!」
「何に喜んでるの?」
「インベントリに入れれたということはだよ、何十個も持って歩けるんだよ!!MP気にせずに使えるんだよ!!スゴくない?毎日、ちょっとずつ作って貯めていけばいつでも使えるよ!!」
「確かに!!良かったじゃん。」
「良かった~、ありがとう、運営さん!」
「でもこれだけならわざわざこんなところでしなくても。」
「情報は出さないよ。対人戦のときに情報を持たれてたら対策されちゃう。」
「あ、そっか。それもそうだね。」
「あとこれだけじゃないの。試したいことは。」
「ほうほう。やってみなはれ。」
「はっ。じゃあ私を攻撃して。」
「え?」
「【クライシスディフェンド】の効果を試さないと。」
「攻撃、受けないと発動しないから。【クライシスディフェンド】。ほら、動ける。」
「分かった。じゃあ、【デュエル】の申請送るから。」
「分かった。けど【デュエル】って何?」
「1対1でどちらかが降参、死亡したら終わるシステムだよ。」
「タイマンってことね。」
アヤネが申請を承認すると2人は【デュエル】のフィールドへと飛ばされた。
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