【蔵出し】小説の種類
※5年前ぐらいに書いたのが見つかりまして。pt3.
既出とそこそこ被ってますが……
まあ昔から考え方はあんまりブレてないんだと。
自分的に愉しんだので(えー 手直ししてここに掲載することにしました。
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小説の種類って、最大分類においてはこの二つしかないってお話。
『小説をたくさん読んでる人が書いたもの』
『小説をぜんぜん読まない人が書いたもの』
ちなみに自分は後者。
くどいようだがとにかく読むのが嫌い。
自分がなんでこうなったのかを、あらためて人のせいにして話そうか。
子供の時に親から文豪作品の数々、しかも旧仮名遣いを押し付けられて
「感想文を書け。書けなかったらベランダで正座」
……なんて教育の名の元の虐待を受けたせいで文章に進んで臨めなくなったから。
今更もうあの世に召しちゃった親のせいにするのもどうかと思うけどね。
生前に一度、飲みながら話したときに
「何か身につけさせようと思って必死だった」
とか胸中語ってらっしゃったけれども。
また今度酒持って墓に行ったらぐちぐち言ってやろうと思ってる。
えーと……そうそう。
それで何で今、小説投稿サイトなんて使ってるのかって?
ああ、自分のは小説の名を借りた文字の羅列による自己表現であって、別モノ定義なので。
(※ここで重複しますが、本記事は数年前に書いたものなのでエッセイ全体においてパラドクスが起こっています)
もとい『二種類』。
アメリカ(だったはず)脳科学者の
「人間は自分が経験したものからしか創造できない」
……って論説がありまして。
ものづくりする人は例外なく、己が強く経験したものを使ってアウトプットする。
キャラ絵師然り料理人然り陶芸家然り。
趣味で好きでやってたか仕事で仕方なくかも関係ない。
知見を得て練磨し、継続反復する。
これらの範疇をもって表現される。
これが小説だとどうなるか。
まずは好きで読みまくった小説/小説家の文章テンポ、間、言葉遣いなどが刷り込まれていくわけで。
ここに己固有の経験体験がブレンドされて初めて『個性』やまつわるクセになる。
よく聞きますよね、「〇〇の影響が伺える」なんて書評。
表現者当人は俺は俺、私は私ってこの評価を嫌うことが多い。
でも残念ながらこの呪縛からは逃れられないんですよね、地球上の人間全て。
人外は知らん。
ところで……
ラノベ/文豪作品問わず、市場に出ているものは出版社や編集者なり『第三者』の視点意見を介してさらなる練磨にかけられております。
言い換えれば〝商業作品足りえる文章/傾向が厳然と存在している〟ということ。
なので『たくさん読んでる人』が小説を書くと、自然とその中で得た語彙や文法などが用いられ、自然と商業的───最大公約数的〝完成度〟が出やすくなる。
ここで言う〝完成度〟とは、発想着想から表現と語彙のユニークさ読みやすさなど全てです。
で……ここからがまま己へのブーメラン。
『ぜんぜん読まない人』ないし、あまり読まない人は、どうしてもそれら不勉強さが前に出る。これは残念ながら、作品としての貴賤優劣の話にモロに繋がる。(売れる売れないとは全く異なる話)
読み手の脳内における、文章を映像変換した結果は個々違う。
それ以前に、脳内に映像を投影するための文章力/言葉遣いに一定以上のインテリジェンスとルールが求められていることが最重要。
絵などヴィジュアルだとヘタウマとかB級とか個性的などと言って躱せる。
直感判断の速度が圧倒的だから。
しかし文章はヘタウマって誉め言葉では濁せない。
「そもそも書いてある日本語自体がわからない」
……ってなっちゃうんで。
小林秀雄はどうなんだとかそのレベルの話じゃないですからね。
お粗末と難解の違い。
まあ、とにかく。
書く立場でいるのなら……読む行為は鍛錬だと自らに課さねばならない。
つーか読みまくったもん勝ち。
というわけで。
皆さんどうぞ読みまくってください。
読むのが苦にならない人はステキです。
自分は未だにダメですね。やっぱり。
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↓併せて読みたい「矢武三なんでそんな読むのキライなん?」
https://kakuyomu.jp/works/16817330661188021346/episodes/16817330665981241842
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