夏
天結瘡
揺れ惑う あの日つくった 風鈴に どれも素敵と 笑う母親
揺れ惑う
あの日つくった
風鈴に
どれも素敵と
笑う母親
コンビニの
足を包んだ
冷房に
生き返ったと
笑いあう
アイス買い
みんなで食べる
ガリガリを
それがなにより
美味しかったり
炎天下
上がる歓声
水飛沫
地獄のシャワー
授業は眠る
したじきで
仰いで凌ぐ
この暑さ
熱中症を
ゆっくり言えば
扇風機
フル稼動して
動かない
どうしようかと
頭抱える
懐かしい
香りが鼻を
擽ると
あの日を思う
ひとりぼっちの
夏祭り
結局誰も
誘えずに
それを見兼ねて
おまけをくれた
七夕は
高確率で
雨が降る
嬉し泣きだと
どこかで聞いた
「いま暇?」と
送ろうとして
止まる手が
震えているの
臆病者と
あれは夢?
通り抜けてく
白昼夢
淡い記憶に
声も出せずに
蝉時雨
あなたの声が
聴こえない
耳を澄ませて
聴きたくなくて
ごめんねと
流す涙に
なにも言えずに
慰めすらも
空々しくて
今なんて?
そんな一言
呟いた
白々しいね
わかってるのに
ナスで牛
きゅうりで馬を
作る日に
今は駄目だと
海に行っては
鮮やかな
絵の具を撒いた
そんな空
あなたが見てる
綿菓子雲を
夕立に
傘を差さずに
棒立ちで
頭からっぽ
浸りたかった
ひまわりが
しょぼくれている
そりゃそうだ
ずっと明るい
訳がないのに
最終日
残った課題
終わらない
もはや恒例
寝不足気味の
ありがとう
今年も終わる
暑い夏
君が笑った
夏 天結瘡 @amayuigasa
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