傭兵は失敗を繰り返し奇跡を起こした

やーしん

第1話 プロローグ

この国で生きて行くには強さが求められる。

特に戦いにおいてが一番重要視される。

勝てば官軍負ければ賊軍。それを字で行く国だ。

なのでこの国は軍事力を輸出している。つまりは傭兵だ。


「お前の派遣が決まった。」


母の言葉だ。

少しでも男を戦地に赴かせるために基本内政は女性の役目に自然となっていった。


「これを読み明後日までに準備するように。」


それだけ言うと出て行くように言われた。


いつも通り、情報だけもらいそれに応じてどのような作戦で戦うのかを考える。

それが貴族としての役目。自分の軍を率いて戦い、とにかく勝たねばならない。


「アルト。まだ、起きていたの?」


「アメリア姉上。えぇ。また、戦地に。」


「私には、これしか言えません。頑張りなさい。」


「わかっております。しかし」


姉上は私の顔を掴み


「あの子は、私に任せないさい。」


真剣な声でそう言った。


僕と姉上は夫婦だ。僕が初陣で飾った褒美として姉上との結婚を望んだからだ。

この国では、強いことが求められる。勝てば全て正しい。


「あなたは、戦いなさい。そして私たちを守って。」


これが、この国の女性だ。この国は、小国ながら列強諸国に劣らない国力を有してい一つの要因でもある。


「今日は、この辺にしておきます。では、お風呂に入ってきますね。」


「今日の登板はジェシカよ。」


僕は、微笑みながら部屋を出た。


ーーーー

私は、いつも不安になる。

先程まで彼が腰掛けていた椅子に寄りかかり思案した。


「アルトは優しすぎるのよ。」


「お嬢様?」


「あぁ。アンナ。なんでもないのよ。ただ。」


「心配なのですね。」


「えぇ。才能を持ち合わせたために。」


「それは、この家のものなら分かっております。」


私は、バルコニーへと出た。


「もう少し、野望を持って欲しいのよ。でも。」


「それは、アルト様は望みません。アルト様は。」


「それは、この国では実現できないのよ。この国は、それとは真逆のものを生み出すだけ。」


私は、少し昔を思い出していた。


「私は、アルトと結婚した時に夢は何って聞いたの。」


「それでなんとお答えになったのですが?」


「こう答えたは、老後まで自由に好きな人と暮らすことって。」


「それは、」


「えぇ。この国で自由は難しいわ。この国は、お母様の手の内だもの。」


私は、見ていた空を見るのをやめ部屋へと戻った。

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