お隣の幼馴染の目覚ましがうるさいから特殊な方法でとめてたら鬼電と勘違いされ…

猫の集会

鬼電勘違いからの金縛りっ⁉︎

 リリリリリリリリリリリリリリリリリ

 

 

 ‼︎

 うるさいっ‼︎

 うるさいうるさいうるさいっ‼︎

 

 目覚まし…は…

 

 どこ⁉︎

 え?

 

 …

 

 オレのじゃねー…

 

 リリリリリリリリリリリリリリリリリリ

 

 …

 

 あー…

 窓あいてたか…

 

 じゃあ、この音は…日真乃ひまのの携帯だ。

 

 

 ったく…起きないなら目覚ましするなっての‼︎

 

 オレはまだ寝ていたい…しかし、隣の家の日真乃のアラームがとにかくうるさい。

 でも、窓越しから日真乃を起こすのはめんどくさい。

 

 で、オレの必殺技‼︎

 

 離れていても一瞬で隣の家のアラームを消す方法。

 

 それは‼︎

 

 日真乃に電話をすればいいのだ。

 

 すると自動的にアラームが鳴らなくなる。

 

 よし、静かになったのでもうひと休み〜っと。

 

 スヤァ〜 スヤァ〜

 

 

 リリリリリリリリリリリリリリリリリリ

 

 ‼︎

 

 おいコラ‼︎

 五分おき設定かよっ‼︎

 

 で、また電話して音を消す。

 

 …

 

 でも五分おきにまたなるんじゃ…

 

 ま、いいか。

 

 スヤァ〜 スヤァ〜。

 

 で、五分おきに何度か繰り返した

 

 

 …

 

 それから数時間後

 

 

 

「くくくくくくっ」

 

 ‼︎

 

 えっ⁉︎

 なんか…なんか変な笑い声がするんだけど…

 

 しかもからだが動かないっ!

 

 こ、これは…もしかして…もしかすると…あの噂の金縛り…

 

 うおーっ…どうすりゃいいんだー…

 

 と、とりあえず目を目をあけて…

 

 んっ⁉︎

 

 えっ⁉︎

 

 オレの足のところに黒髪の女っ⁉︎

 

 な、なんだよ…この女…

 

 

 …

 

 って、よくみたら

「日真乃⁈」

「あー、拓人たくとおはよ」

「おはよじゃねーよ‼︎足!オレの足の上に乗るな!金縛りかと思ったわ‼︎」

「あー、ごめーん。てかさ、人に鬼電しといて寝てるってどういうこと?」

 と日真乃は、ちょいプンスカしていた。

 

 …鬼電?

 

 あー、アラーム消したやつか。

 

「あのー…アラームがうるさいから電話して消しました。」

 

「はあっ⁉︎だからわたし遅刻したんだ⁉︎アラーム消されたから!」

 と日真乃は、マジギレしだした。

 

 あ、やばいやばい‼︎

 

 ぐずりだす子供ってなだめるのが遅れると大泣きして暴れだすんだ。

 日真乃も早くなだめないと大変なことになりかねない…。

 

「あの、ごめん。どっかに用事があったんだね。なら、お詫びします。えと…時間があればこれからカフェでケーキ奢りますが…ご都合は…」

「もちろん、行くに決まってる‼︎」

 

 ホッ。

 なんとか、鬼のサイヤ人が現れなくてよかった。

 

 もうオレたちは、すでに社会人。

 相変わらず無邪気な日真乃。

 

 で、オレの前でケーキを嬉しそうに頬張る日真乃。

 

「今日、なんの用事があったの?」

「んー、拓人とゲームする予定だったのー」

 

 …⁉︎

 

 え?

 

 あー…

 

 …

 

 へー…

 

 たしかに先週約束したっけ。

 

 

 そして約束通り日真乃と仲良くゲームを堪能した。

 

 

 オレたちは、ただの幼馴染。

 

 一度も付き合ったことは、ない。

 

 でも、オレはずっと日真乃が好きだ。

 

 日真乃は…オレに懐いているが好きとは違うのかもしれない。

 

 

 好きな人って…キスできるかどうかで判断すると聞いたことがある。

 

「なー、日真乃」

「なに?」

「オレとキスできる?」

 ゲームをしながら軽いノリで聞いてみた。

 

 一緒にシーソー乗ろう的なノリで。

 

 すると日真乃は、コントローラを落とした。

 

「あっ、ご。ごめん」

 と。

 

 えらい慌てっぷりだな。

 

 これは、脈ありかもしれない。

 

「大丈夫?」

「あ、うん。てか…何いきなりその質問…」

「ただ聞いてみただけ」

 

「あー…なるほど…ね」

「うん…」

 

 …

 

 二人してコントローラを持っていながらコントロール不可状態。

 

 …  …  …  …  …

 

 全く動かないコントローラと画面

 

 えっとー…

 

 軽いノリで聞いたけど…、どうしよう。

 

 日真乃があんまりテンパるからオレまで…オレまでなんか…

 

 

 …

 

「し、してみよっか‼︎」

 と日真乃は、言った後にコントローラをガチャガチャとやり出した。

 

 ん?

 

「ほ、ほらっ」

 画面をみると…

 

 あー

 

 お互いのゲームキャラクター同士がキスしているみたいにみえる。

 

 …

 

 リリリリリリリリリリリリリリリリリリ

 

 ‼︎

 

 またアラーム。

 

「えっ?なんでアラーム⁉︎」

「あー、タイムリミット」

 

 へっ?

 

 タイムリミット⁉︎

 

 どういうこと⁉︎

 

「どっかいくの?」

 

 …まさか、オレがもたもたしてたから合コン?お見合い?

 

「あー、家帰るよ」

 

 …じゃ、じゃあもしかして…

 

 オレがいつまでももたもたしてたからもうオレと永遠にさよなら的な⁉︎

 

 嫌だー‼︎

 タイムリミットとか嫌だーー‼︎

 

「あの…日真乃」

「ん?」

 

 リリリリリリリリリリリリリリリリリリ

 

 また鳴り出すアラーム。

 

「日真乃‼︎行かないで‼︎」

「え、無理だよー…もう行かなきゃ」

 

 …オレは今、日真乃を手放したら一生後悔すると思った。

 

「日真乃」

「なに?」

 

「…行かないで」

「え、無理だよ。ならまた明日休みだから来るよ」

「明日じゃダメ…なんだ。」

「でも、わたし…もう行かなきゃ待たせるとあれだし」

 

 待たせる?

 

「…大切な用事があるんだ?」

「えっ…、あぁ。まあそんなとこ。てか、早くしないとさめちゃうから」

 

 え?さめる?

 待たせただけでさめるの?

 

「さめる?そんなすぐにさめるやつなんてダメだろ。なら、オレが…オレがさめない魔法かけてやるよ!」

 

 チュ〜。

 

 あーついにしてしまった。

 

 てか、同意も得ずにキスしてしまった。

 

 …でも、日真乃嫌がってない⁉︎

 

 ならば調子に乗るよ?

 とまらないよ?

 

 チュ〜チュ〜ムチュ〜っ

 

 なぜ嫌がらない?

 ほんとに魔法にかかった?

 

「あの…日真乃。ごめん…オレ少し強引だったよね。」

「ううん。やっとしてくれて嬉しかった。」

「日真乃。じゃあ今日その人のところ行かない?」

「え?その人?」

「うん。遅れたらさめちゃう人のところ」

「え?行くよ?」

「な、なんで⁉︎だってオレとキスして嬉しかったんだよね?」

「うん。なら明日もして?」

「そしたら、行かない?」

「行くよ?」

 

「はあ?」

 

 トゥルルらるるるる〜

 

 いきなり日真乃の携帯が鳴り出した。

 

「あ、日真乃ー。あがったわよ」

「うん。わかったー」

 …日真乃のお母さん。

 あがったって…

 

 まさか、その男…日真乃の家に上がり込んだんだ?

 

 遅いとさめちゃうとかさ…

 家に上がり込むとかさ…

 

 なんだよ…

 せっかちかよ⁉︎

 

「日真乃」

「ん?わたしもう行くね」

「行かせない。」

 オレは、日真乃の手を掴んだ。

 

「え?」

「そんな奴のところになんか行かせられないからっ」

「お母さんのところ?」

「お母さんじゃない。すぐにさめるやつのところ」

「フッ、くくくくくくっ」

 日真乃が突然笑い出した。

 

 そして、なら一緒においでと手を引かれるオレ。

 

 …

 

 どんな男なんだろう。

 

 オレよりガタイよかったらやだなー…

 

「おじゃましまーす」

「あら、拓人くん。いらっしゃい。せっかくだから今揚がった唐揚げ拓人くんも召し上がって」

 

 ‼︎

 か、唐揚げっ⁉︎

 

 日真乃は、またフルフルと笑いを堪えていた。

 

「「あはは」」

 そして同時に笑った。

 

「なぁに?唐揚げがそんなに面白いの?」

 とお母さんは、不思議そうにしていた。

 

「日真乃ーっ‼︎」

「勘違いする拓人が悪いー。だって唐揚げは、すぐにさめちゃうからぁ。ぷぷっ」

「あら、喧嘩はだめよ?さ、ほらアツアツのうちに召し上がれ」

 

「「はーい‼︎」」

 

 オレたちは、アツアツの唐揚げをテーブルの下でこっそり手を繋いだままいただいた。

 

 そして、唐揚げをいただいたあとまたアツアツのキスをするのでありました。

 

 チュ〜♡

 

 おしまい。

 

 

 

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