第13話 お酒は孤独を産む
僕が断酒を始める前は、家で独り飲む事が多かったのです。テレビを見ながら黙々と食べて飲みました。
僕が最後に働いたのがメッキ工場でした。体を壊してメッキ工場を退職したのが約3年前でした。家にいるのがつらくて、毎日のように川崎駅近辺を歩き周りました。朝食をドトールで食べて時間を潰しました。
11時を過ぎると飲食街がオープンします。
その時間を見計らい夕食の買い出しです。僕はお肉が大好きで、やきとりか牛タン弁当がお気に入りでした。
飲み物は缶酎ハイか缶ビールか赤ワインでした。飲む量は缶ビールと缶酎ハイの
500を1本ずつか赤ワインだとフルボトル1本です。飲み過ぎているという感覚はありませんでした。休肝日などありません。
家に帰るのが14時くらいで、それからシャワーを浴びて夕食です。平日の14時すぎから仕事もしないでお酒を飲む人は少ないでしょう。
メッキ工場を退職したばかりで物凄く不安でした。このままもう働けないのではと苦しくなりました。お酒に逃げるしか方法が見つかりません。
お酒を飲んでいて1番感じたのは、独りでいる孤独感でした。誰からも必要とされていない自分が情けなくなりました。
僕がお酒の飲む量を決めたのは、嘔吐する事が多くなったからです。これ以上飲めば嘔吐するだろうと飲み続けると必ず吐きました。吐けば吐くほど僕は嫌気がさしました。お酒は孤独を産むという事を、この時思い知らされたのです。
断酒を始めたから孤独感が無くなった訳ではありませんが、仕事もしないでお酒を飲むと言う罪悪感は無くなりました。しかしこれから先も断酒できるのか自信がありません。
ただわかるのは、もしスリップしたら元のアルコール依存症に戻るだけだと言う事です。そうならないように1日を大切に生きていく事にします。
それではまたお逢いしましょう。
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