断酒クラブへようこそ

龍神 昇

第1話 断酒クラブへようこそ

 はじめまして。

 僕はアルコール依存症の龍神昇と申します。


 これは医師から診断されたのではなく、僕が勝手に依存症だと判断しています。今年の2月5日から完全断酒を始めました。断酒を始めた頃はとても苦しくて、いつお酒を飲んでもおかしくない状態でした。


 僕は精神疾患を患っていて、本来ならばお酒はNGです。病名は統合失調症です。精神薬をたくさん飲んでいますのでお酒を飲んではいけないのです。


 僕はそれを承知でお酒を飲んでいました。お酒を飲んだ時のあの酔った感覚がとても気持ちが良くて、断酒など考えた事がありませんでした。


 僕は精神科の他に外科の病院にも通院しています。エコー検査をしてもらい、肝臓に脂肪が付いていて、このままでは肝硬変になると言われました。血液検査をすると、肝臓の数値が異常に高く、主治医から肝臓癌になると言われました。そしてお酒を飲む事を禁じられました。


 僕がお世話になっているメンタルクリニックではお酒を止めろとは言わないので、休肝日を作るように勧められました。これができていませんでした。休肝日予定の日にも、僕はお酒を飲んでいました。


 お酒を飲んでいる時はとてもハッピーな気分でした。しかしお酒が切れると鬱状態になりました。


 この状態をメンタルクリニックのケースワーカーの十文字さんに相談すると完全にアル中だと言われました。休肝日を作れない僕は断酒する事にしました。


 それは簡単な事ではありませんでした。


 断酒を始めて1週間も経たないうちに禁断症状が出ました。夜に寝ると耳鳴りと悪夢を見ました。十文字さんからお酒を止める事は覚醒剤を止めるより難しいと言われていました。断酒する事でその意味がわかりました。


 それでも僕は頑張って断酒を続けました。今月で断酒5カ月が経ちました。


 断酒する事で1番良いのは、夜に寝る時に深い眠りにつける事です。お酒を飲んでいる時は睡眠が浅くたくさん夢を見ました。夜中に目が覚める事も無くなりました。


 メンタルクリニックの主治医のM先生に話すと、それは精神薬が正常に機能しているのでしょうと言われました。


 僕はインターネットで断酒関係の記事を読みあさりました。1番衝撃だったのは、どれくらい断酒できれば平穏な暮らしができるのか、という記事でした。答えはコツコツと断酒を続けて、3年くらい経てば平穏な暮らしができると書いてあった事です。


 僕はまだ5カ月しか断酒できていません。


 3年は長いと思いました。そこで僕はカクヨムの力を借りようと思います。アルコール依存症の僕がどの様に断酒していくのか書いていく事にします。


 1話500文字程度のお話を書いていきます。更新は不定期とします。お酒を飲んでいる人が、今日は休肝日にしようと思って頂けたら嬉しいです。


 それでは【断酒クラブへようこそ】始めましょう。

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