【仮】勇者になろうと思ったけど予定変更して復讐者になります
蝉埜 蛻
第1話 reincarnation
「ルカ。たった今、あなたの人生は幕を閉じました」
見知らぬ少女にそう告げられた俺は唖然とする。 明日20の誕生日を迎えるはずだったのに、気付いてみれば俺はもう天国に来ていたのか。 あまりにも突然すぎる人生の終止符に俺はただ口をぽかんと開けることしか出来なかった。
「そして、貴方がこれから向かうのは次の人生。あなたが紡ぐ第2の物語」
「それってつまり……」
「そう。」
次に少女が放つ言葉には流石に唖然としていた俺と空いた口から声を放つ。
「「異世界転生」」
やはりな、という顔で俺は頷く。
ハマっていたという訳では無いが、俺が生きていた頃はアニメやライトノベル等でそういうものが流行っていた。 魔物転生やら悪役令嬢やらが流行りだしてからは人気の波は徐々に消えていったが、今でもそういう作品が星の数ほど出てくるレベルだ。
そしてそのフィクションの話だと思っていたそれは、たった今現実となっていたのだ。
「俺に勇者になれ、俺に魔王を倒せ…と言うんですか?」
「そうよ。あなたは次の世界で勇者となり、魔王討伐をする。それがあなたの第2の物語。この物語を始めるか、それともここで終わるかは君次第……。 さぁ、あなたはどうする?」
フィクションの世界ではありきたりな話でつまらないって言う人も多いだろう。が、現実となると話は別だ。 それにこのまま人生終わるよりもう少し生きていたい、という思いが俺の心にあった。
「やります。勇者になれるかはわからない、けど、もう少しだけ生きていられるのであればこれ以上美味しい話はありません」
少しワクワクしていた。 そんな俺の表情を見て目の前の少女も嬉しそうに微笑む。
「それでは貴方を異世界に送ります。ですがその前にあちらの世界での生き方を簡易説明しましょう」
そう言うと少女は映像を映し出す。
「まずはステータス確認。 これは自分が見たいと強く思った時に目の前に表示されます。ここにスキルやレベル、パラメーター等の様々なあなたの情報が表示されます。 次にスキルの取得方法とレベルアップ方法を教えます。レベルは主に魔物を倒すことで得られる経験値を一定まで上げることでレベルが1ずつ上がっていきます。 また、スキルはレベルアップによりあなたの特技や趣味等に見合ったスキルが自動主導されます。 簡単な説明は以上で終了です。それでは、ご武運を」
そう言われると俺は青白い光に包まれた。 これから転生者として生きるのか、そう思うと俺はワクワクで胸がいっぱいになっていた。
俺が異世界に送り込まれる瞬間、少女が軽く笑ったように見えたが、まぁ気の所為であろう。
そして━━━━━
「ここが……」
目の前の光景が一瞬にして切り替わる。
俺が生きていた風景とは全然違う、まるで本当にゲームの中に来たかと思うような風景に俺はただ興奮していた。
そして、ここから始まるのだ。 俺の第2の物語が、勇者になる俺の物語が。
「さーて、魔王討伐の道は長い! まずはその辺の魔物を倒してレベルアップからだな」
俺はそう意気込み、異世界生活の第一歩を踏み出す。
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この世界と俺が転生された真実に気付く、その時までは
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