女の子とくま
おかゆちゃん
第1話
山が美しい、ある町のお話です。
女の子がいました。
女の子は、お母さんに買い物を頼まれて、
小さな鞄ひとつと、大きな帽子をかぶって、近くのお店へ向かいます。
道の途中で、だれかに呼ばれました。
「だあれ?」
瞬きを2つ、女の子が振り向くと、そこには大きなくまが1匹、赤い蝶ネクタイをして、人形のように立っていました。
「お嬢さん、どこへ行くの?」
と、くまは訊ねました。
「魚屋さんで、サバを1匹。お母さんに頼まれたの」
「へえ〜。それは偉いなぁ」
うんうんとうなずく、くま。感心したようすで、女の子を見つめます。
「ぼくはね、友達から貰った、手作りの蝶ネクタイを、みんなに見てほしくて、こうして歩いてるんだ🎶」
胸元を誇らしげに見せるくまは、少し照れた顔をしていました。
「んまぁ!素敵じゃない。お友達の手作りなんて、シャレてるわね。昨日見た、夕焼けに似た色をしてるわ。とてもよく似合ってる」
女の子は目を輝かせて、蝶ネクタイを眺めました。
それから、2人は、なかよくなり、一緒に魚屋さんへ行きました。女の子は、山で採れる山菜のことや、最近ピアノを習ってること、それから、学校で新しくできた友達のことなんかを話しました。
日が暮れる前に、くまは山へ帰り、女の子も家でお母さんの焼いたサバをおいしくいただいたのでした。
☆おしまい☆
女の子とくま おかゆちゃん @okayudon
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