第46話 発見
「お、木と湖があるな。まるでオアシスだな」
そう言ったが、黒い場所で無かった為、俺は落胆した。
しかし、セレナスは本を見ながら、
「いや、よくやったロフル。この場所も記されている! ここからの方向が分かるぞ」
「おお!」
俺達は二人でガッツポーズをした。
そして、その場所で少し休憩した後、早速セレナスの言う方向へと走っていった。
そしてしばらく走ると……
「これは……!」
目の前に一面真っ黒の鉄板で出来た床が現れた。
それは、セレナスの言った通りくらいの広さしかなかった。
「0.0施設の壁と同じ素材……みたいだな。色は違うけど」
俺は床を叩いたり触れたりしながらそう呟いた。
この場所の中央部に四角いマンホールの様な入り口があり、
その横には円柱状の台座があり、手のマークシンボルが表示されていた。
「ここに手を当てるのか?」
セレナスはそう言って、自身の右手をマークに合わせてみた。
すると、台座に白い光が駆け巡った後、D-85と同じように光でスキャンをし始めた。
――認証失敗
手のマークの上に、赤い光でその一言だけが表示され、何も起こらなかった。
「くそ! 開けられないって事か? ここまで来たのに!」
「なぁ、セレナス。この場所の情報は何処で手に入れたんだ?」
そう聞くと、セレナスは神徒大図書館という上層にある図書館で見たと言ってくれた。
0.0施設の事も図書館の本の書いていたと言う。
それを聞いて、俺は少し考え事をしていた。
この場所は間違いなく0.0施設と同じ材料で出来ている。
つまりドームから来る材料って事だよな?
気になるのは神徒とドームの繋がりがあるのか?
という事だな。
そのエルミラとかいう奴の指示で施設が発生した可能性もあるのだろうか。
うーん……よくわからん!
「おい、ロフル何ぼーっとしているんだ。入る方法を考えろ!」
セレナスの言葉に俺はハッとした。
「とりあえず、俺もマークに触ってみようか」
そう言いながら俺は手のマークに触れた。
すると……
――認証成功 ゲートが開きます
と表示され横の四角いマンホールがスライドするように開いた
そこは真っ直ぐ下に伸びており、梯子がついている。
「……何故ロフルなら開く? 紫髪じゃないとダメとかなのか?」
セレナスはそうやって悩んでいるが、
「細かい事は良いだろ? さ、入ろうぜ!」
と言って、俺は先に梯子に手をかけた。
二人が梯子から降りたくらいのタイミングで、入ってきた入り口が閉まり辺りが明るくなった。
「なんだここは……」
降りた先は鉄板で出来た正方形の部屋になっていた。
広さは100平米程、テニスコートの半分くらいだろうか。
中央には腰上程の高さで幅と奥行きが100cm程の黒いテーブルが設置されている。
そのテーブルの表面は磨かれた様に艶々している
梯子が連結している壁以外の3面にはそれぞれ入り口が二カ所筒、計六ケ所存在する。
「気を付けて調査をしよう」
「わかった。僕はこっちの部屋から調べる、ロフルは反対から調べるんだ」
そういって左右に分かれ調査を行った。
「広さは畳三畳ほど……中央には光を失った魔法陣が一つ」
この魔法陣は見覚えがある。
施設で見た転送魔法陣とほぼ同じだ。
そして、魔法陣の横には神輪の祭壇と記されている。
「神輪の祭壇……俺の知ってるあの場所か?」
とにかくフロアにあるのはそれだけだった。
次のフロアを調査しよう。
・・・
・・
・
俺とセレナスは中央のテーブルへと戻った。
全ての部屋を調べたが、形状と広さはほぼ同じで、魔法陣もそれぞれ存在していた。
そして、それぞれ横に記されていた文字は、
神輪の祭壇、開眼の祭壇、廃棄された祭壇、分断の祭壇、0.0施設入り口、保管庫
だった。
「起動している状態じゃないけど、もしかしたら転送魔法陣かもしれない」
俺がセレナスにそう言うと、何とか起動方法を探したい。
中央の黒いテーブルを調査しよう。
と言ったのでそのまま二人で調べ始めた。
「お!」
テーブルはそこまで大きくなかった為、
すぐに裏側から怪しい手のマークを見つけた。
俺は早速それに触れてみると、
上からセレナスが、
「おい! 卓上に文字が表示され始めたぞ」
と言ったので、すぐにテーブル下から出て確認した。
――最下層管理者システム起動……転送魔法陣を起動します。
と表示されており、それぞれのフロアに光が灯った。
「魔法陣が光っているぞ。転送できそうだ」
「やったなセレナス! この保管庫に続く魔法陣が怪しくないか?」
セレナスはそうだねと頷き、早速行こうとしたが……
「待てって! 一方通行だったらどうする? 保管庫が行き止まりだったら終わりだぞ」
と俺が止めた。
「まずは他の……神輪の祭壇とかで試そう」
そう言って、まずは神輪の祭壇行きの転送魔法陣に乗って試す事にした。
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