こぶし伝

和柄 雅

序章 夜は必ず明けるから

やすらぎの休憩地

 ようこそ、隠されたこの地にたどり着いたのですね。初めまして、私はこの地を守る番人でございます。長旅だったでしょう? せっかく来られたお客様ですから、どうぞ、おかけになって、ごゆるりとおくつろぎ下さい。


 今、あなたの好きな食べ物とお飲み物をご用意致します。それと、ここは少し寒いので、暖かい毛布をどうぞ。暖炉に焚き火をくべましょう。


 ここには、数多くの宝、太古の記録が大切に保管されております。せっかくですので、記録に興味がございましたらご覧ください。この世界を知る為には、お役に立つことでしょう。


 さぁ、疲れを癒して、ゆったりと。暖炉の灯り、ランプの灯火があなたと書物を照らしますよ。



 辛くなれば、いつでもここに戻ってきて良いのです。どんな時でも皆が歓迎いたします。


 そして、帰った際は、より良い方向に進むこと。それだけは約束してください。



 どうか、あなたに得るものがありますように。

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