第12話 コラボ配信が決定!
「それで、何のお話をしていたの?」
私はナギとフウカに問う。話が盛り上がっていたので気になる。
「あたいたちとフウカでコラボ配信しようって話」
確かにフウカはそこそこ人気のある配信者なのでコラボさせてもらえたら非常に嬉しいが、フウカは視聴者を取られてしまう。
ではどうして。
「代わりに配信設備の貸し出しとノルマの達成の協力をお願いするよ」
「なるほど。それなら等価交換になるわね」
うまく話をつけたらしい。さすがはナギだ。
「日程は?」
「来週の日曜日」
「というわけでルル。金曜日と土曜日に配信してアーカイブ貯めるよ」
ナギの急な宣言。これは忙しくなりそうだ。
「わかった。ちなみにコラボ配信の内容は?」
「私が毎週日曜日に魔物狩り配信をするからそこ助っ人に来てもらう。ダンジョンは魚系ね」
魔物狩り配信。魚系のダンジョンか。どんな料理ができるか楽しみだ。
「了解。なら告知とか準備する?」
「うん。パソコン借りていい?」
「どうぞどうぞ。あたいたちも作業の続きをしないとね」
そうして作業部屋へ移動する。扉を開くとフウカが悲鳴を上げた。
「せ、設備やばすぎない!」
編集用のパソコンとモニター、絵を描く用の液タブ、サイドボタンのあるマウス、音質のいいヘッドホンとスピーカー。できる限り環境をととのえた結果だ。
「これ借りていいの?」
「もちろん。コラボ時の契約だからね」
心なしかフウカの目が輝いている気がする。
彼女はサムネその他をマウスで描いているらしい。だから液タブを使って描けばもっと人気が出るだろう。
「じゃああたいも作業するね」
そう言ってナギは作業を始めてしまう。こうなったらしばらく動かない。
「11時までね」
「はーい」
二人と約束して私は一度キッチンに戻る。
残っているポップコーンやいつものお供のお菓子をお皿に取り分けて、二人に配る。
「差し入れだよ」
「え、良いの? ルルありがとう!」
フウカも喜んでもらえた。もちろんナギも喜んでくれた。
「コラボ配信用の画面できた!」
「え、見せてー」
「あたいもみたい!」
フウカは必要機器を手にしたからかものすごい勢いで画面を作り上げてしまった。
時間とクオリティもプロが裸足で逃げ出すほど素晴らしい。
「配信頑張らないとな」
「そうだね。でもその前に切り抜きの告知をしてきてよー」
「わかってるよ」
「お、切り抜きするの?」
ナギとの話にフウカが乗っかってきた。
「そうそう。宣伝用にちょっとやってみる」
「なら私も宣伝しとくよ。アカウントどれ?」
「あたいたちのアカウントはこれだよ」
「OK、すぐ宣伝する」
フウカが宣伝するとすぐにピコピコと通知音がした。
「はやくない?」
「固定ファンの異常に反応はやい組だね。多分次の配信はそれなりの視聴者くるよ」
「さすが人気配信者……」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます