AMADEUS -アマデウス-
イズミシュウヤ
第一章 -邂逅-
第1話「Lilium Album」
電灯が
冬たけなわの12月14日午前3時、
辺りは山林と田畑ばかりで、民家の灯りはほとんど無い。
運転するのは
時の
なぜ彼女達がこんな
井上舞衣は夢を見た。
荒れ果てた建物、ボロボロの鳥居。
どうやらここは神社であったらしいが人の気配はまるで無い。
そこに
その声は低く、くぐもっている。
舞衣がその声のする方向に向かって歩き出そうとすると声は大きくなりこう言った。
「近づくな」
舞衣はそこで立ち止まると、その
「
舞衣が
「今すぐに
舞衣は
「来るってどこに?ここがどこなのかも分からないのに...それに
声は答える。
「なに、難しいことはない、全てはあの
そう言うと視界は
気が付けば舞衣は
時計は午前2時を少し回ったところだ。
舞衣は
今まであんな不思議な夢は見た事がないし、神様の存在は信じていても、自らが
声は"
声の主は消え、場所もついに聞き
かといって(自称)神様の使いからの啓示を
幸か不幸か今の時間であれば
仕方がないので
とはいえ、ここ子供室から車庫に向かうには家人の部屋が並ぶ
だがもし、神様の
そうなればそれはもう私個人の問題ではなく水衣はもちろんのこと、父母や、ひいては
万が一にでは神罰が
舞衣の
だが最も
幼い頃水衣や兄たちとよく庭で遊んでいた舞衣にとってみればそれは考えるまでもないことであった。
もっとも、
車庫の
いつもは
子供室の
そうすればすり抜ける警備は東門だけでいいはずだ、北の正門よりは
子供室の窓から庭に降りるのも、15歳の誕生日に父に貰った
そうと決まれば舞衣はベットから出て、暗い中を手探りでバイクスーツと
中学の時に与えられた
「どこにあったかな...」
棚を開けるとゴチャゴチャしていて
こういう一大事の時ほど自らのいい加減さに
それでも家のためにガサゴソと
ようやく鍵のようなものを見つけ出した。
「これ...かな...?」
いつも屋敷には誰かしらが居て、普段は鍵すら持っていない
もっと言えば父から貰って以来一回も使ってすらいないかもしれない。
ただ鍵に刻まれている「
満月とはいかないが、月のよく光る夜だ。
眠っていた水衣は
舞衣はフライを起動しクロダで
あとは
その
「ん......まーちゃん...?」
その声に舞衣は
(「しまった...!みーちゃんのこと
慌てて扉を閉めて水衣のもとへ歩み寄る。
そして頭を
水衣は「ん...わたしもいく...」とベットから起き上がってしまった。
こうなってしまったらもう水衣を止めることはできない。
「神様の使いは私に来いって言ったけどみーちゃんも
「二輪で行くからちゃんと
水衣は母に似て肉づきがよく、同年代と比べても
「私もみーちゃんみたいな身体だったら
しばらくして、水衣が着替え終わったので
あとから水衣が降りてきて舞衣は見事にキャッチする。
フライで
車庫の前に到着、
開いてくれと
舞衣は「開いた!」と小さく声を
手早く
液晶に表示された地図を見ると知らない場所までの
舞衣は謎の声の主が場所を告げなかったことの意味を
自身の行動が予知されていたことに
そうして二輪を車庫前まで持ってきて
エンジンをかけると音で
2分ほどで東門に
詰めている警備員が寝ていれば楽だったのに、などと
警備員は顔を出し、窓を叩いた何者かを確認すると
それもそのはず、この屋敷の主の
警備員は
返事をしない警備員に
舞衣は警備員に
門を出て、舞衣は自分の想像よりも簡単に屋敷を抜け出せたことに内心驚きつつも、
初めての小さな家出に
水衣はと言えば決して表情には出さないものの、舞衣とのある種
舞衣は水衣の「みーちゃん、乗らないの?」という言葉に
二輪に飛び乗り、アクセルをひねった。
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