第13話
「あなたが誰だか解らない。だが、わしの命の最後にお前に全てを託そう! どうかこの力で橋を守ってやってくれ!」
瞬間、老人の両手から俺の体を凄まじい高熱と激しい光が襲いだした。
体が丸焦げになるかと思った。
「うわああああああーーー!!」
「ぐぬぬぬぬぬぬ!!」
俺と老人は叫び続けていた。
正直、死を覚悟までした俺は老人の手を力いっぱい振り払おうとした。だが、凄まじい力で掴まれていた。
体中の光と熱が次第に治まりだしてきた。そこで、やっと誰かが俺の肩に手を置いているのに気がついた。後ろを振り向くとマルガリータだった。
マルガリータは気遣いの眼差しで俺を見つめていた。
目の前の白髪の老人は消えゆく光と共に息絶えている。
辺りは静かになった。
「う……そんな……」
俺項垂れていた。
マルガリータは何も言わずに同情の目でコックリと頷いた。
「な、なんだったんだ? 今の?」
「大丈夫よ。何もかも……さあ、行きましょ。橋を守りに……」
盗賊団は皆、武器を構えて伏せていたが、マルガリータだけがいつもと同じだった。
うん??
なんだか、俺の体から物凄い力が湧き出ている!!
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