第7話
多分、この少女は俺を海から助けてくれたんだろうな。少女は俯いたまま遥か東を指さした。
うん?
何があるんだ?
首を向けると、あの橋が見えた。
それにしても、今の俺って何語で話してるんだろう?
ここは、不思議なことだらけだ。
「と、遠いなあ。けど、早く戻らないと!」
「そう戻るわよ。今から一緒に飛んで行くの。王女様が危険よ……」
「ああ、あんたの名前は?」
「マルガリータ……ナイツオブラストブリッジの一人」
「そうか……? ナイツオブラストブリッジ?? 俺の名は……」
急に怖気づいて、カクカクと鳴ってしまう足を叱咤していると、いつの間にか、草原の地面が盛り上がっていた。砂煙が舞って、それと同時に下品な笑い声が木霊する。
「よー、よー、ちょっと待ってくれよー」
「うーん。うーん。こいつは顔は見えないんだな。でも、いい女の匂いがするんだなあ。こいつは高値だなあ」
「一人は男かあ……こっちは安値だなあ」
「うん?」
突然、土の中からガラの悪い男たちが飛び出してきた。あっという間に俺たちは男たちに囲まれた。まるで、モグラが地面から飛び出したかのようだった。その証拠にボロボロの格好の男たちの肩や頭には砂ぼこりが大量に付着していた。
「は、早く逃げよう!」
俺は少女の方を向いた。
少女は俯いたままだったが。大きな箒を一振りし、顔を上げた。俺の腕を掴んで箒に跨ると、不思議な事に俺たちの身体ごと空中に浮いてきた。
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