第5話
ライラックの剣戟が激しくなり、剣そのものが太陽光に反射して、キラリと輝きだした。
俺はライラックの剣から必死に態勢を整えながら、 やっとのことでライラックを殴っていた……でも、もう無理だろう……。
俺は橋の手摺に近づいていた。
観念した。
短い人生だったな……。
ここで俺は死ぬんだな……?
そう……わかってしまったんだ……。
「オニクボ!! 危ない!!」
ソーニャが急いで割って入ったが、ライラックの大振りの袈裟斬りの長剣を弾く前に、辺りに激しい火花が飛び散った。今度は、大女の大剣がライラックの剣を弾いていた。三人の激突に、だが、剣も何もない俺は何もかもすでに手放していた。
そうだ。命さえも。
ほんと、お手上げ状態だよ。
「おのれーーー!! 殴ったなあーーー!! そいつは斬る!! 邪魔をするなあーーー!!」
ソーニャと大女を掻き分けて、ライラックの剣が再び振り下ろされる。ソーニャと大女が加勢してくれているけど、そうこうしているうちに、ライラックの剣戟で俺の服が少し裂かれ、バランスを失った俺は石造りの橋の手摺りから、呆気なくそのまま落下してしまっていた。
目を閉じると、しばらくしてザブンっと音と共に耳に水が入りだした。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます