第5話

 ライラックの剣戟が激しくなり、剣そのものが太陽光に反射して、きらりと輝きだした。

俺はライラックの剣から必死に逃げながら やっとのことで逃げ回っていたのに……でも、もう無理だろう……。俺は橋の手摺に近づいて観念した。


 短い人生だったな……。

 ここで俺は死ぬんだな……?

 

 そう……わかってしまったんだ……。



「オニクボ!! 危ない!!」


 ソーニャが急いで割って入ったが、ライラックの大振りの袈裟斬りの長剣を弾く前に、辺りに激しい火花が飛び散った。今度は、大女の大剣がライラックの剣を弾いていた。三人の激突に、だが、剣もない俺は何もかもすでに手放していた。


 お手上げ状態だよ。


「おのれーーー!! 邪魔するなあーーー!!」


 ソーニャと大女を掻き分けて、ライラックの剣が再び振り下ろされる。ソーニャと大女が加勢してくれている。そうこうしているうちに、俺は石造りの橋の手摺りから、呆気なくそのまま落下してしまっていた。


 目を閉じると、しばらくしてザブンっと音と共に耳に水が入りだした。

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