1044話 ご機嫌斜め
お夕飯を作り皆で食べて───起きたら佑那とリムネーに抱きつかれて眠っているんだけど?二人とも半裸で。
風邪ひかないと思うけど、寝相悪くなってるよ?
抜け出してタオルケットを取り出し、2人に掛ける。
「起きてるんだ」
「『はい、起きています』」
2人とも勢いよく起きて正座する。
「どうしてあんなことしたの?」
「なんか兄さんが欲望に飲まれる?って…そんな事は無いって証明したくて」
「証明方法が杜撰過ぎない!?何かあったらどうするの!」
「えっ?ばっちこい?」
「……………………「2割冗談ですごめんなさい!」」
2割かぁ…残り8割はなんだろうねぇ…
「リムネーも同じ、ではないよね?」
『お父様が喜ぶよと言われましたので』
「ほぅ?(兄さんの真似)」
「ひっ!?」
「汝、獣に堕ちたか?」
「堕ちてません堕ちてませんっ!」
「…そっか。思わず防犯ブザーを鳴らすところだったよ」
「あの、兄さん、その両手で防犯ブザーを引っ張るような構え方は…」
「これを引っ張ればどうなるのかなぁ?気にならない?」
「ほっっとに勘弁してくださいっ!」
ちょっと心がやさぐれた状態で出勤したら、あまり会いたくない輩がいた。
「あっ!マイスイートハニー------っ!」
「だそうですよ巽さん」
「姫様。発砲許可を」
「発砲は許可しないけど拳はOKです」
「ジャブからのストレートで」
バチンと音がした直後に轟音がした。
「吹き飛ばしているぅ」
「物理結界を張っているようでしたのでそれごと吹き飛ばしました」
いや、巽さんのその手袋って、鉄粉入りだった気がするんですよ…
「くぅっ…巽さんのガードが堅すぎるっ!」
壁にぶち当たったのに無事だし…香也頑丈すぎない?
「姫様に不埒な真似は許しませんし、もし私に結婚を申し込むのならば姫様の許可を得た後に拳で語り合ってからです」
「何か断り方が捻くれていませんか!?」
「姫様おはようでござる」
「ダニエルさんおはようございます。夜勤明け…というわけではないですよね?」
「夜勤明けでござるよ」
「…だから香也は狂ったようなテンションなのかぁ」
「コイツはいつもこのテンションでござるよ」
「「…………」」
「あっ、その目つきは心にクルものがあって…良い」
「
「あれ?なんか、やっちゃいました?」
「課長、おはようございます。蝋燭追加で貰ってきましたが…いります?」
「おはよう岩崎。ありがたく戴くよ。悔しいがこの弓張提灯は良い教材でね…現在解析中だ」
うん。課長もスルーしてくれてる。
「シカト!?シカトデスカ!?」
黙れペ〇ー擬き。
「高野…お前、今本気で岩崎に嫌われてるぞ」
「…えっ?」
「うわ、僕宛の依頼書が…」
「ああ、それは処分するものだ」
「えっ!?」
「隣にあるこの書類から選んでやってくれ。私達はどうせまた───」
サイレンが鳴り響く。
「───これだから」
課長は深いため息を吐くと班をまとめてブースを出て行った。
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