1026話 サーバーには魔除けの札を貼りましょう


 配信を終えて今日のお夕飯何にしようかなぁ───なんて思っていたのがフラグだったのか、その一報はなかなかトンデモナイモノだった。

「本部が襲撃を受けている?えっ?あの世界の外にはもの凄く大きな龍とか竜とか居るんですよね?」

『何故それを…いえ、そんな事よりも現在シールドによって何とか保っていますがこのままでは危険な状態となります。そこで恥を忍んで「ユルフテラ様、余所行きの話は良いので…メッセージに神祇結晶50個添付しましたのでまずはそちらを使って急場を凌いでいただければと」…』

 あれ?

「ユルフテラ様?」

『多すぎるよっ!?』

 あれ?ゲームとかの回復アイテムトレードみたいな気持ちで送ったんだけど…駄目だった!?


 怒られちゃった。

 でも感謝された。

 まあ、力が回復するから大丈夫じゃ無いかなぁ?と。

 あとね…多分負けないと思うんだ。

 ユルフテラ様の映像の背後に髑髏の仮面を着けた大剣の人がユラリと歩いていたから…あれ絶対わざとだよ…

「兄さんは今日も絶好調だったと」

 神出鬼没過ぎんかな?

 兄さんにも神祇結晶10個と…泉じゃなくて湖の水を5リットルタンクで送っておこう。

 というか、何で戻ってこないんだろう…



【兄者:暫くは連絡しない方が良い】


 そんなメッセージが来た。

 どうやら兄さんは動き回っているというよりも逃げている?

 もしくは相手を攪乱している?

 そして連絡しない方が良いと言っているという事は、メッセージ機能も傍受されている?

 でもこのメッセージって……あ!初めは神託代わりにせお姉様が送ってきたんだ!って事は神様通信的なもの?

 それを誰でも使えるようにダウングレードして地球で使っているわけだから…

 ……あっ、セキュリティ…

 僕は慌てて箱庭から神域へと向かう。


「せお姉様!」

「なぁに?」

 タイミングよくリビングでグッタリしているせお姉様を見つける事が出来た。

「メッセージ機能ってセキュリティ大丈夫ですか!?」

「えっ?神の権能で祝福に後付けしただけだよ?」

「でもそれって神々の神託メッセージをベースにしてですよね?」

「うん。そうだけど?」

 少し不思議そうな顔をしながら体を起こしてこちらを見る。

「セキュリティ大丈夫ですか?現在地球でダウングレードして使っているわけですから…それを宜しくない連中にデータを確保されて…とか」

「地球のは地球内で完結出来るようにしているから大丈夫だよ?」

「でも僕や兄さんはこのメッセージベースで本部の方含めやりとりしていますよ?」

「………」

 端から見ても分かるレベルでせお姉様の顔色が悪くなり、どこかへと転移してしまった。

「あれっ?せっちゃんは?」

 ゆる姉様がせお姉様を捜しているのかこちらにやってきた。

「なんか顔面蒼白になって転移しました」

「えっ?どういう事?」

「いえ、今偶にメッセージ使っているじゃないですか」

「便利だよね、あれ。せっちゃんが改良したやつ」

「あれ、普通に上の世界にいる方ともやりとり出来るんですよ」

「そうそう。あちらでも使えるようにって話をしておいたんだ」

「…恐らく地球内で使うだけのつもりでベータ版を使っていると思うんですよ」

「え」

「で、僕や兄さんはこれで普通に上とやりとりしているんですが…セキュリティ大丈夫なんですかね?と、聞いたら顔面蒼白になって転移しました」

「っ!私も応援に行かなきゃ!」

 えっ!?やっぱり大事なの!?


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