1019話 炎上する配信。乱入するメイド


 配信直後からコメントが炎上しているとゆる姉様が教えてくれた。

 生憎と僕はコメントが見えない設定になっているので「へー」って感じだ。

「僕の方からコメント欄が見えない仕様に切り替わっているので残念ながら一方的な配信になってしまっているんですよねぇ…これ配信の意味あります?」

 きっと絶対に「意味は無い」とリスナーさん達は言っていると思う。


「ご主人様。ただ今戻りました」

 四谷さんが遠慮無く扉を開けて入ってきた。

「えっと、うん。今配信中なんですけどねぇ?」

「相手からのリアクションも全く分からない状態で配信とは…一体どのようなプレイなのでしょうか」

「うーん…ある種の罰ゲーム?黙々とお料理を作る配信とかの方がまだマシだと思うんだけど…」

「では私は空気を読まずご報告をさせていただきます、本日4度の襲撃がありその内2つは合衆国の特殊部隊による援護により問題無く処理されております。ただし、それ以外では爆発物の処理が2箇所程ありましたので解除をし、回収しておきました」

「4回のうち2回は…どうしたのかな?」

「お馬鹿な一般人と堂々とした襲撃でしたのであえてスルーさせていただきました。勿論安全マージンは取らせていただきましたが」

「うん。ありがとう四谷さん」

「全てはご主人様のために…」

 四谷さんはスッと姿を消した。

 今回は四谷さんに対人系護衛を。白城さんにそれ以外の護衛をお願いしていた。

 2人は事前に話し合っていたので騒がしいだけで身の安全は絶対保証状態だったんだろうなぁ…



「兄さんっ!あの駄メイドは!?」

 佑那とジャンヌさんが駆け込んできた。白城さんは…あ、一礼して僕の部屋に向かって行った。

「四谷さんなら戻ったよ」

「駄メイドで通じるんですね…」

「言動と行動が自由すぎるからそう言われても仕方ないかなぁってね…でもすべき事は確りするから」

「「ええー?」」

「で、お馬鹿な一般人と堂々とした襲撃があったらしいけど、何があったの?」

「迷惑系配信者が先代巫女の闇を暴くとか言う配信をしていたらしいんだけど、それ聞いたハヴァスターイ様がギルティ宣言をして配信グループと悪意をもって視聴していた人達に悪夢を見せる神罰を下したらしいの」

「んー…ゆる姉様やせお姉様が厳しい処断をする前に動いた感じかなぁ…」

「悪夢を見るんだよ!?しかも起きないんだよ!?」

「うん。グッスリ寝られるって事でしょ?ひたすら怖い夢を見るだけで。睡眠不足にはならないわけだし」

「「あっ…」」

「次は?」

「あとは、タクシーに乗ったら自爆テロされて、後ろに居た外交ナンバーの車が銃撃してきたの!」

「でも四谷さんが結界張っていたんでしょ?」

「えっ?うん…」

「四谷さん、、最初に乗り込んだでしょ」

「…あっ、そうそう!「いっちばーんひゃっほーでございます」って棒読みレベルの言い方して真っ先に乗り込んだの!行くときはしなかったのに!」

「その時既に結界張っていたと思うよ。ハヴァスターイ様は何も言わなかったでしょ?」

「……なんか、従っている感じだった?」

「恐らく全部分かっていて従っていたんだろうね。あと、四谷さんが口出ししたのは多分タイムアップだったんだよ」

「えっ?…ということは…何かが不合格?」

「佑那…修行が足りないよ。ジャンヌさんと一緒にノーマルモードの護衛編を頑張ってね」

「「嫌ァァァァッッ!」」


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