1018話 邪神様漫遊記(先代巫女の悪口絶対許さないウーマン)④


あの後救急車とパトカーもやってきたのでハヴァスターイ様のテンションが有頂天レベル。

ただし、目をキラキラさせてジッと見ているだけ。

美女がその光景をジッと見つめているというのは…悪い意味にも捕らえられるわけで…邪神が勝ち誇った笑みを浮かべているとも───

「ああっ、あの笑顔で踏まれたいっ!」

「いやお前よく見ろ。視線は消防車をロックしているだろうが。邪神様はああいった働く車の仕事を見るのが好きなんだよ!」

「なにぃ!?ではあれは尊いお姿と!?拝んどこう」

「きっとマイヤちゃんと働く車とか超巨大重機とか楽しく見てるに違いないんだ!」

「そう考えると…敵に容赦しないってだけで優しい神様なんだな…」

「ああ。絶対そうだ」

…オタク君達さぁ…何でそんなに解像度高い想像出来るのかなぁ…


えー、私達は現在品川のとある喫茶店?でワイワイ食事をしています。

磯部さんが車を手配するそうなのでそれ待ちです。

「食べ過ぎないでよ?」

一応釘を刺しておくけど、まあ、ちょっとお腹は空いている。

なので思い思いのものを食べた後、スイーツを食べているんだけど…

50センチ以上はあるパフェを注文するハヴァスターイ様と異世界組2人。

「えっ?甘いものは別腹ですよ?」

不思議そうな顔をするジャンヌに私はちょっと嫌な記憶を思い出す。

「それ兄さんに言ったら本気で酷い目にあったから言わない方が良いよ?」

「言いませんよ。神様方みたいに無限に食べられるわけではないんですから。スイーツは精々7人分位です」

「ジャンヌェ…」

「食堂のパフェとは違う…大きいな…」

「ええ。これはチョコレートパフェと生クリームトッピングでしたか…凄いですね」

異世界組2名はやってきた超巨大パフェに固まっているけど、ハヴァスターイ様は来たらすぐに食べ始めた。

ハムハムモグモグコクコク、ハムハムモグモグコクコク。

美女なのに可愛いって反則過ぎん?

しかも早いのに丁寧な食べ方。

あと駄メイド、ケーキを1ホール頼んで1人で食べるとはイイ度胸だ。お前食事いらんだろ…

ジャンヌさんと私はモンブランと紅茶のセットをのんびり楽しんでいる。

白城さんが会話に混ざらず、ずっと黙っているのが気になる。

「あの、白城さん?」

「はい。なんでしょうか」

「何かありましたか?」

「いえ、ひたすらこちらに干渉しようとしてくるものを弾いているだけです」

「えっ?」

「神やダンジョン関係ではなく、身の程知らずの仙人達なので問題ありません。異相から誘拐しようと必死なのですよ。自分の力量も分からぬ愚か者ですのでお気になさらず」

紅茶を優雅に一口飲み、白城さんは息を吐く。

「…11人の仙人と6名の妖怪仙人?がいる。敵?」

それまで巨大パフェを食べていたハヴァスターイ様が手を止めて白城さんを見る。

「敵ですが、壁を叩いている程度ですのでそれ以下…というところです」

「ん。ケーキはホールお持ち帰りで今度はブルーベリーのパフェ食べる。同じ量」

「「まだ食べられるのか…」」

私とジャンヌさんの台詞が被った。

「あっ、あと私も特大ストロベリーパフェのトッピング全のせで」

駄メイドぉぉぉぉっ!


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