1016話 邪神様漫遊記(先代巫女の悪口絶対許さないウーマン)③
全員タクシーに乗り込みため息を吐く。
「…どうしてあんなにやっかみや悪意を向けられるんでしょうか」
「そりゃあ…救国の聖女の貴女が一番分かるのでは?」
「………あー……」
「目を逸らしましたよこの方」
駄メイドちょっと黙ろうか。
「客観的に言えば妬み等でしょう。しかしそれらを利用し儲けようと考えている者もいる…その事を頭に入れてください」
この駄メイド…
「もしくはこの「世界救った私様が敵認定されてる件について」というラノベを読んでください。人の悪意や憎悪についてポップに書かれています」
「いやいつの間に買ったの!?」
「私が書いた同人小説ですが何か?」
『………えっ?』
ハヴァスターイ様すら「何言ってるのコイツ」という目で見ている。
いや、ほとんどの人が意味分かっていないのか。
…ジャンヌさんが意味分かっているのは…ネット小説か何かの見過ぎだな?
「製本までされているのに!?」
「箱庭の技術力は凄いのですよ」
「箱庭の人ですけど分かりませんでした…」
「嫌味ですか?嫌味ですよね?嫌味でしょそれ!」
「あっそれ分かります!三段活用ですよね?」
「Exactly」
「駄メイドだけここに下ろして帰りたい…」
「所で…運転手さん。どちらへ向かっているのでしょうか。微妙に道を外れていると思うのですが」
「ああ、工事があるらしいので───」
「最新バージョンのナビに無い工事というのはなんでしょうか。その道は明らかに違うところへ向かう道ですよね?」
チャッ、と四谷が運転手に向かって銃を構える。
「貴方、行きの時の運転手ではありませんね。車は同じなのに搭乗員が違う」
「……」
運転手は何も言わずに車を走らせていたが、信号で一時停止する。
「死ぬまで糞尿を垂れ流す呪いとか如何ですかハヴァスターイ様」
「うん。やる」
「では、結界を張ります」
直後に車が爆発し、後続車両から数十発の銃弾が放たれた。
「テレビで見たことのある光景ですね!」
「凄いですね…この世界は治安が良いと聞いたのですが」
「良いと思いますよ?今回は例外のようですが」
ほらー!異世界の方々に勘違いされそうになっているじゃないですか!
ジャンヌさんだけが「これテレビで見たヤツ!」ってウキウキですけど!
「逆恨み的なナニカですかね?佑那隊長目的の」
「リスクでかすぎない!?…あ、もしもし磯部さん?佑那です、今乗っていたタクシーが自爆して後ろから銃撃受けてますが、はい。外交ナンバーですね。写真撮って送ります」
「あっ、佑那隊長、送らなくても神様方配信してます」
「えっ?それって…マズイのでは?」
「私達はマズくないですよ?」
「あっ…はい、佑那です…はい。あ、やっぱり写真は大丈夫…現状リアルタイムで見ていると…」
あー…ごめんなさいね?
とりあえず普通にタクシーから降りて銃撃してきている連中に対してとりあえず写真をパシャリ。
そして確認…もうちょっと角度が…おお、これならオッケー。
「みんな歩いて帰ろっか」
「ああっ、ご通行中の皆さん!現在銃撃を受けては居ますが結界を張っているのでご安心ください!ただ、私達がこの場を離れたら結界は解除されますのでご注意を!」
「消防車、来た!」
「邪神様の目がキラキラしてますね」
「放水の邪魔しないように少し退いて結界解除しましょう」
「あれ?運転席は?」
「無事ですよ?下半身は無事では無さそうですけど」
「そう言えばこの人達って?」
「神を表面だけ信じている神敵ですね。国際会議で暴言吐いた───」
「じゃあ私も追加制裁する」
「あっ、此奴らの国オワタ…」
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