987話 巫女様が神として動いたら
「…おはようございます」
「えっと、どうしたのかな?」
「こちらの確認をお願いします…」
「いや、あのね?その虚ろな目は…どうしたのかなぁって」
「明け方まで人のガワを被ったモンスターに対する考察と戦闘データを元にした都市結界の対応策とモンスター間、もしくはダンジョンへの通信連絡手段のジャミングに関しての考察と最悪の想定をレポートにまとめていますので、確認お願いします」
「はい!?ちょっ、誰かー!?ゆうくんが徹夜してまで調査研究してるんだけどー!?」
レポートを書きながら朝ご飯の事を考えていたらキャパオーバーになってしまった件について。
僕の中では料理に関する事がかなりのウェイトを占めているっぽい。
午前4時辺りからの記憶が完全に献立一色になっていた。
何に対する考察をしていたのかすら曖昧になるってどんだけ…
徹夜も満足に出来ないなんて年だなぁなんて思いながら神様方の朝食を配膳していたら何名かが涙ぐんだ顔で「そこまで無理しなくても…」って言ってきた。
いや、何事?
「すぐに改善するから!都市結界は今裏で改修しているから!神々の中で裏切り者がいる可能性も今洗い出してるから!休んで!」
本当に何事!?
「僕は普通に元気ですよ?」
「違うから!絶対違うから!廣瀬と同じレベルの解析して提出しているからね!?」
えっ?
「僕レポートは解析レベルの物は書いていなかったような…?」
「後半21ページは全部結界の解析コードなのに!?」
かいせきこーどって…なに?
「1時間程度の神化でアレを解析して改善案…改造コードを書いたなんて前代未聞だよ!?あの結界は僕たちどころか他の世界の技術も入っているんだよ!?解析できないようにもしているのに…」
いや、僕知らないんですけどぉ!?
「まあとりあえず、あの着ぐるみモンスター問題は改善されるという事ですね?」
「改善どころか解決だよ…あのレポートは各世界に配布されて潜伏系モンスター対策結界に組み込まれるそうだからね。都市結界には昼前には組み込みが完了するんじゃないかな」
あ、じゃあ磯部さんには大丈夫って伝えられる。
「よかった…どれだけ入り込まれているか分からないから不安だったんですよ」
「少なくともマンションは偽装禁止含め五重チェックしているから問題無いよ。プラスアルファでゆうくんの部隊の子達が見極めるし」
…考えてみたら潜伏系のモンスターにとってうちの部隊の人達って天敵じゃあ…
出勤した。
捕まった。
大会議室に連れ込まれた。
もう、今日はずっと忙しないなぁ…
「済まんな。朝一でここに来たんだが…相当なプレッシャーになっていたようだ」
「そりゃあそうでしょ」
大会議室には磯部さん達がいた。
達。
そうなんだ。
テレビでしか見たことない人達もいるんだ。
総理は苦笑しているけど、総理以外は全員ガチガチに緊張しているんだけど…
「全員が擬人対応で苦慮しているからな…昨日俺が襲われて以降団体行動なんだ」
閣僚の集団行動…
とりあえず箱庭の水を超希釈して飲ませようかな…話はそこからだと思う。
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