755話 余波が凄い事になっていたりする?


 真紀奈お姉さんの為にも、兄さんのあと2人の人達のためにもお仕事帰りにちょっと寄る所がある。

 実家近くの商店街…だけど、僕目立つよなぁ…

 どうしようかと悩んでいたら兄さんが一言。

「あの商店街の連中なら昔から友紀中毒末期の連中だから問題は無い」

 僕中毒って何!?あと末期って何!!?それ問題大ありだよね!?


 と言うわけで出勤。

 午後も配信をする予定なので───あの、なんだか皆のチラ見がウザいんですが…

「いっちゃん!無事!?男共に襲われてない!?」

 西脇さんがもの凄い勢いで駆け寄ってきた。

「えっと?おはようございます西脇さん」

「はい、おはよう…じゃなくてぇ!無事!?」

「えっ?はい。無事ですが…え?何事です?」

 いまいち分からない僕は首をかしげる。

「ここら辺の草食系はチラ見…じゃないわね。ガン見程度で済んでいるけど、大変な事になっているのよ?あの動画で」

 あの動画で?

 どの動画?

 ───えっ?もしかして、昨日の動画で?

「いやさすがに、アレで?」

「何でその程度扱いなのかしらこの子…」

 いや、緊急で作ったものですし?リテイクなしですし…

「編集の力だと思います。1時間程度の撮影でしたし、企画も突然その数十分前に言われたわけですし」

「いっちゃん、貴方今の台詞動画配信者に言わない方が良いわよ?ガチで凹むから」

 あっ…西脇さんが微妙に凹んでるぅ…



 メールが大量に来ていたけど、結婚してくださいとかママと呼んでも良いですか?とか訳の分からない文言をビジネスフォームの最後に入れないで欲しかった…色々疲れるんですよ?

 巽さんはお休みだった。

 課長には昨日のことを説明した。

 すると深刻そうな顔で「思い詰めていなければ良いが…」と言い、ため息を吐いた。

「巽は決して弱いわけではないが、裏方業務や巽家の闇の部分を担っていただけに強い、が…それは対人戦の部分であって対化け物となるとやはりな…」

「と言うよりも今回は無理です。流石に神相手に誘拐を防げとかは」

「神隠しを止める方法はあるが確かに欧州方面だとな…」

「まあ断罪されましたし、今回の件で居住スペース等は防衛強化したらしいですし」

「そうなのか?」

「らしいです」

警備員八雷神が巡回しているらしいですし、登録者以外が居住フロアに降りた時点でチェックが入るそうです」

 出勤前にそう伝えられたけど、僕の居るフロアに関してはそれ以上の防衛体制だからあまり言えない…

 今現在も配信では第2スタジオでお絵かきやおもちゃで遊んでいる邪幼女神達がね…うん。

 ほぼ無言配信になってないかなぁ…

「そこまで警備強化していたのか。住んでいる身としては安心できるな」

 苦笑する課長。

「今日も午後は配信か?」

「はい。ただ、昨日の動画の余波があるのかなぁと…」

「あー……アレは反則だろ」

「えっ?」

「女装男子で性癖が歪みかけた所に修道女な美女だろ?4回は見返したぞ?セーラー服姿の時、うっすら顔を赤らめていたり、ウインク前にちょっと視線を逸らしたり…控えめに言って最高だった」

 うわぁ…うわぁ…課長どんだけ…


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る