679話 兄さんとお話し合いと、兄さんと戦闘訓練
兄さんが膝枕してくれた。
「今、全体的にダンジョン側の侵攻が停滞している。まあ、何故かは大体分かるが」
「少し前にも停滞しているって…」
ゴロンと寝返りを打ち、兄さんの方を見る。
「ああ、それとは桁違いに停滞している。たぶんヤツのせいだと思われる」
「えええ?」
兄さん、いくら何でもそれは…
「危険なのはアレがここが好きとか、お前に会いたいとか言ってダンジョン勢力がここに注力しかねないこと位か…」
「可能性の話だよね?」
「ああ、可能性の話だ。ただ、アレはそういった事を起こしかねないからな?」
…兄さんは何を知っているんだろうか…
兄さんが佑那を片手で投げ飛ばしている。
佑那は反撃しようとしても体捌きのみで攻撃を往なされ、僅かに出来た隙を突く…フリをして正面から突破して更に投げた。
「駆け引きが単純すぎるぞ」
「コンマ秒レベルで戦法を変えて虚実交えた攻撃してくる相手に通じる攻撃って何!?これで駆け引きが出来ていないとか言われても分かんないよ!」
草原に転がされていた佑那がガバッと起き上がって吠える。
「友紀だって掴んできたら攻防一体の対応をするぞ?」
「兄さん達と一緒にしないで!」
「佑那…僕、非戦闘者」
「友紀兄さん…非戦闘者と書いた後で(ただし接近戦は国士無双)とか書いてあるんでしょ?分かるよ!」
そんな訳あるかぁ!
40分後、神兵さん達と佑那が全員草原に倒れていた。
「おかしい…絶対におかしい…面攻撃をどうやって避けているの…」
「進行方向へ二段ステップからの緊急回避で異相回避が出来る」
「三方向からの波状攻撃をどうして1アクションで止められるんですか…」
「体捌きトリックと視界トリックで三方向の攻撃タイミングを僅かに狂わせ、一連動作で絡め取るからだ」
「どうして投げの動作中なのに攻撃を避けられるんですか…」
「むしろ全方位からの攻撃を読んで感知していないと攻撃したらマズイだろ」
「…決死の一撃をペシッて叩かれて止められた私の心情を19文字で答えよ」
「おお佑那よ止められてしまうとは情けない」
「ふぐぅぅ!!」
───皆、余裕ありそうだ。
というか、全員殺す気で兄さんに向かって行って倒れているだけって…
「現状だと一つ上の世界で戦える程度だな。よくあるラノベ世界的な所と考えてだ」
「戦えるとは…」
「ワイバーン程度なら神兵はいける。低級竜だと…4対1だな」
「佑那は?」
「俺の知っているそう言った世界の一つにあった旅人互助教会の若木クラスだな」
「その若木クラスが分からないよ…」
「種、新芽、幼木、若木、成木、開花で最高ランクが聖樹だ」
「佑那は中堅クラスと…」
「ああ。若木は戦闘力で言えば岩地オオトカゲを倒せる位で全体の10%だ。成木は全体の4%、開花は2%で聖樹は空席1名在席2名の定員3名という状態だった」
「兄さんは?」
「俺か?移動のために必要だったから新芽のままだったな…」
『これが、ランク詐欺か…』
僕以外の全員が同時にハモる。
「まあ、皆そう思うよねぇ…」
僕もちょっとそう思ったけど、多分別の理由があるからだと思い言わなかった。
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