587話 事情聴取?と、お茶菓子どうぞ

 せお姉様とお三方はマンション神域へと戻ったので僕も急いでみんなと合流する。

「アペプは大人しく帰るとのことでしたので神域経由でお帰り願いました」

「そうか…」

 ホッとした顔の一同。

 少し後ろで待機していた自衛隊の人も無茶苦茶安心した顔をしていた。

「僕は少し事情聴取してきますので失礼します」

 そう言って神域へ移動した。


「あ、おかえりー」

「ただいまです。ちょっと近隣の海洋事情を伺いたくて早めに戻ってきました」

 僕はそう言ってリビングへと移動する。

「セト様、ネフティス様お土産です」

 そう言って僕はドレッシング(お徳用)を差し出すとお二方は歓喜した。

「これでレタスパーティーが出来る!」

「料理のレパートリーが増えます!」

 いや、ドレッシングでレパートリーを増やすってどうなのかなぁ…

 大はしゃぎのお二方をアペプが不思議そうに見上げる。

「アペプ様。少しお話しの方、よろしいですか?」

『うん』

 ということで移動ルートや変なモノがいなかったかなど聞いて確認したら…笑えない事実が出てきた。

『あと、ここと、ここと、ここ!だんじょんがあったの』

 あー…でしょうね。

 空にもダンジョンがあるっぽいけど、海は絶対数多いんだろうなぁ…何せ19箇所ほどダンジョンを教えてもらったんで。

『ぴかぴかひかたりうるさいのはたたいてたおしたの!』

「そっかー倒したかぁ…こんな感じのはいたかな?」

 原子力潜水艦の画像を見せる。

『うんっ!こうげきしてきたからたたいたらだんじょんにはいっちゃったの』

 それがディーゼルなのか原子力なのかは分からないけど…うん。何処の所属かも分からないし、スルーで!

 あとは日本の妖怪を見せると…

『このへんなのがおそってきたからたべたの!』

 牛鬼ェ………いたんだ…

『ほかにもいたけど、みんなにげちゃったの』

「そっかぁ…」

 色々と胃が痛くなるような事実が出てくる。

 これ、アペプを放し飼いしておいた方が海の化け物一掃できないかな?

 いや、攻撃してきた人もやっちゃっているんで問題ではあるんだけど。

「…うん。色々ありがとう。さて、おやつを作ろうかな?皆さん、食べたら駄目なものってありますか?」

 とりあえず聞き取りを行うもおやつの範囲内では問題なし。

 うーん…そうだ。和菓子を出そう。


 巫女様準備中


 和菓子とお抹茶を用意。お抹茶に関しては事前に説明もOK、さあd…

「いただきます!」

 せお姉様ぁぁぁぁっっ!

 誰よりも早くせお姉様が食べ始めた。

 和菓子欠乏症になっていたのかな?そんな病気はないと思うけど。

「おぉ…うまい」

「これは、上質な供物ですね」

『おいしい!』

「いえ、市販品です…」

「でもこんなに想いが籠もっているのですよ!?」

「神官が市民に売っているとか?」

「長年和菓子屋を営んでいる老夫婦が作っています」

「「………」」

 そんなに愕然とするレベル?

「まあ、ここ以外の和菓子屋を捜すのはねぇ…お客様は神様です精神だね!」

 いやそれは…間違ってない、だと?

「これだけの技量と想いを籠めた物だ。さぞ高かっただろう?」

「いえ全然。全員のお菓子の値段で…市民一人のレストランでの食事代くらいだと思います」

「「えっ?」」

『?』

「うん。これが普通の反応なんだろうね…僕も忘れてたよ。類は友を呼ぶね!」

 納得いかないんですが?


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