576話 お茶会と、新事実


「兄さんとお茶会~」

 佑那が軽食山盛りのトレーを持って上機嫌にうたっている。

「え?僕しないよ?」

「兄さんに拒否権ないよ?」

「「………」」

 何言ってるのかな?この愚妹は。

「何言ってるのかな?この愚妹は」

「心の声が大々的に漏れてるぅ!」

「いや、思ったことを1度咀嚼して口に出したからね?」

 軽食と飲み物を持って2人で表の草原へと向かった。


 パスタ祭りで味を占めたのかそこに設置されているテーブルは少し大きく、立派になっていた。

 そこにサンドウィッチ、クッキー、スコーン、ショートブレッドを並べる。

 そして飲み物は紅茶と茶コーヒーを用意。

「さあ!お姉さんのお膝の上においでなさい!」

 ラヴィお姉さん暴走中でござる。

「佑那。行ってあげて?」

「兄者をご所望ですよ?」

「佑那ちゃんでも良いのよ?」

「ほら、欲しかったお姉ちゃんからのご所望だよ?」

「世界はいつだってこんなは「はいはい行った行った」最後まで言わせて!?」

 佑那がショックを受けた顔で僕を見る。

 早くしてよ。

 しょぼんとした顔でラヴィお姉さんの所へと行った。

 神兵さん達や白城さん、メリアさんが集まって和気藹々と食べている。

 ラヴィお姉さんの膝の上に佑那が座ってあーんしたりしてもらったり…うん。

 佑那のお友達はこの光景を見てどう思うんだろうか…

 あれ?もしかして佑那はこんな姉妹を夢見ていた?

 僕も抱きつかれたりしてたし…あるぇ?

「この緑茶に見えるコーヒーは…常人が飲んでも大丈夫なのですよね?かなり効能が強い気がしますが」

 白城さんが少し困惑した様子だけど、問題無いと返そうとしてちょっと鑑定する。


【穏茶next】箱庭で進化した穏茶。(現在数値・レベルシステム導入のため制限中)

 生食の場合は酸味のある爽やかなブラックコーヒー。

 熱を加えた場合は凝縮され、エスプレッソのような味になる。

 氷水に葉を一枚入れれば極甘カフェになる。

 尚、加熱等処理をした場合はそれ以上の変化はない。

 効能1:快癒(中)、状態異常除去(呪い・睡眠・毒・病・各種汚染)

 効能2:神気の体内循環と自然放出によりシールド効果や対呪効果あり)


 なんか増えてたああああっ!?

 あと、もの凄く気になることが書かれているんですが!?

 多分常人に飲めるか云々あったから地球のシステムとか付け足してるよね!?

「どうかなされましたか?」

「…うん。あのね?なんか、現在地球はレベルシステム導入のために制限しているからそういったのは待って欲しいみたい」

「一般人に飲ませたりするのは待って欲しいと…分かりました。しかしレベル制、ですか」

 そう。レベル制って何だろうねぇ…

「レベル制という事は基本となる数値が必要となるはずなのですが…」

「ですよねぇ…あと、システム作っているのって、今何方かなぁ?」

「…………ミツルギ様では?」

「ミツルギ姉様、僕以上に働きすぎだと思うんだ…本来その手の類そこまで得意じゃないって…」

「ユグドラシル様に無茶振りされまくっている結果とか」

「ゆる姉様は今夜の麻婆は極辛にしよう。兄様仕様のやつ…」

「あ!私ゴーグル持ってくる!」

「佑那も食べたいの?」

「私を殺す気なの!?」

 いや、死なないよ!?人を殺す食べ物なんて駄目じゃん!


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