575話 佑那と、お茶会と
その後暫くイタチ達とじゃれ合ってたら課長が悶えていた。
そしてコメント欄も悶えていたので…うん。ヨシ。
この子達は1度玉藻さんの所に連れて行かないと行けないし…今日行くしか!
「俺が此奴らを連れて行くから友紀は休めよ」
「あっ、はい…」
『釘指されたw』
『兄者は嫁(獣)に会いに行くんだよ』
『巫女様は休めw』
『大人しくしてw』
コメント欄が酷い!
朝食を作って神様方に食べもらい箱庭に戻る。
畳間に座りボーッとする。
今世界は大きく変わろうとしているんだよね…
みんなはどう変わっていくんだろうか。
でも、変わらなくても良いのかなぁ僕は。
「兄さん?ポンポン痛いんですか?」
佑那が畳間にやってきた。
来るなりいきなり何を言うのかな?この子は…
「世界が大きく変わろうとしているみたいだけど…」
「んっ?そんなに大きく変わらないよ?」
「?」
「ダンジョンにいるモンスターや妖怪達が大量に闊歩しているわけでもないし」
えっ?
僕の反応に佑那は眉を顰めた。
「もしかして凄い沢山出てきて大変な事になっていると思っているの?」
僕は正直に頷く。
「東京はほぼ問題無いんだけど、他もそこまで酷いって訳じゃないみたいよ?」
「えっ!?」
「誰かさんが空からムチャクチャやって盤面ひっくり返したから絶望的な状況が一変して少し余裕が出来たの」
盤面ひっくり返したって…
「結果ある程度は余裕が出来た。世界的にはね」
「日本的には…そうでもないけど厳しいと」
「まあね。でも結羽人兄さんが盤面ひっくり返したから私の所の神兵の半数を定期派遣すれば最悪は防げるし」
「でもそれは佑那がいること前提だよね?」
「私がやっているのは時間稼ぎ。数ヶ月もすればきっと出てきてくれるよ。戦う気概のある人達が」
そんなに短期間で出てくるのなら今までは…
「まあ、でてこなければソレまでという話なんだけどね!」
をい…
「これまでダンジョンでしか見なかったモンスターが外を跋扈する。それに適合した人間、強くないわけがないよ」
佑那の力説に少し考える。
まあ、言いたいことは分かる。でも、それって本当に大丈夫かな?
淘汰される人は、差別されないかな?
持たざる人達は…
「で、兄さん。兄さんはいつも通り生活して、いつも通り配信して欲しいんだ!」
「何故配信までセット!?」
「兄さんの配信がないと世界は世紀末だよ!?」
言っている意味が分からないよ…
「そして兄さんは私のために美味しい美味しいおやつを作るのです!イレブンジズティーを新しいお姉さんやマイヤちゃん達とやりたいのです!」
「いや、佑那?講義は?」
「ふ…今日は午後一なので12時半には出ます」
今から作るとすれば…時間的には大丈夫か。
「よし、じゃあ佑那のためにショートブレッドやクッキーを作ろうかな!」
「ガチでイギリス方式!?」
「まさか佑那がイレブンジズティーの話を持ち出すなんて思わなかったからね」
「……マジで兄さんなんでそれを知っているのかを問いたいレベルなんだけど」
「誰でも知っているよ?和式な10時のお茶の時間もしくは欧州式の11時のお茶の時間でしょ?」
「イギリスだけじゃないの!?」
「…何で知らないのさ」
僕は少し呆れながら立ち上がり、おやつと軽食を作るために畳間を出た。
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