414話 おにいさまとこうえきだしん
トンデモ世界と言われて考える。
四季をガン無視して常にフルーツ類が食べられたり、お魚がいたり、楽園再現的な状態だよね…
「確かに、トンデモ世界と言われたら…」
「お前が認めてどうする…」
兄さんに呆れられてしまった…
「世界を一つ潰して創り出すアムリタをお手軽感覚で創り出している時点でとんでもない事だからな?」
「あれは僕が作ってませんが!?」
「しかし材料はあるのだろう?」
「その材料も僕の世界と言うよりも異世界の植物?なんですが」
「「何故疑問系?」」
いや、あれを植物と認めて良いのか考えません?
「…うん。確かにそれは植物と認めるよりも樹人として認めた方が良いけど」
「コイツは…かなり昔のデータを引っ張り出したのか。報告必須項目作成前の代物だな。7千年前か?」
「1万9千年前だよ」
「同じ個体だろうな」
「他では生息していない…と言うか目撃例がこれだけだったからね」
はい。お二方が何についての話をしているかと言いますと、うちの箱庭に住み着いているみゃーこについてです。
アムリタに関してあの蜂蜜やそのクラスの物では作れないはずだと言われ、確実に混ぜたとされる金桃の話をし、ついでにみゃーこの話をすると…とんでもない事が判明した。
あれ、唯一植物(?)らしい。
でも増えるって鑑定にあった気がするけど…と聞くと、
「ああ、増えるらしいが増えたやつの名は「ぎゃーこ」といってな…かなり劣化植物なのだ。更に周辺の土地の養分を喰らう」
「そして増えたらみゃーこは居なくなるらしいよ」
「今、うちで異世界トンデモ植物たちとまったりしてますが…」
「トンデモ世界の主にトンデモ植物と言われるとはな…」
なんか、凄く呆れられてるぅ…
僕はアムリタを取り出し、テーブルの上に置く。
「とりあえず提出しておきます」
「いや、提出ではなく買い取らせてくれ」
「奉納貨もしくはフィリンケル聖晶貨でのいずれかにして欲しい」
と、ここで兄さんが要求してきた。
お婆ちゃんは即座に「聖晶貨210枚」と言い、幼女神様は「奉納貨7枚!」と言ってきた。
うん。価値が分からない!
奉納貨にしなさい。
「友紀?」
兄さんが首をかしげた。
「奉納貨でお願いします」
「…どうして奉納貨なんだい?」
お婆ちゃんが問う。
何故かその目は相手を見定めるような目だった。
「えっ?フィリンケル聖晶貨30枚の価値なんですよね?ジャラジャラ持たなくて良いじゃないですか」
「「………」」
いや、どうしてそんなに呆気にとられた顔を?
「お二方。この子はここ初めてなんだが?それらの価値が分かるわけが無い」
「ああ、そうじゃったな…まあ、それはお前さんが教えてやれ」
まさかの兄さんに丸投げ!?
「じゃあ…はい!奉納貨7枚」
幼女神様がトレーの上に七枚の銀貨を乗せて僕に渡してくれた。
あれ?これ見覚えある…
「稀少品だから大切に扱ってね!」
「はい。ありがとうございます」
僕は急いでプライベートボックスにしまう。
「それと、川の水というのを定期購入したいんだが…」
「そこは俺がやろう。量と価格をここで決めよう」
「そうさね…1クォン(30リットル)聖晶貨6枚でどうだ?」
「……友紀。今、川の水はどれだけもっている?」
「100リットル水瓶1つ分持ってきているよ?」
「聖晶貨20枚で良いか?それだけあれば帰りに買い物が出来る」
「あ!お土産が買える!?」
「それくらい俺が出すぞ」
「僕が稼いだお金でお土産買いたいの」
僕はそう言いながら水瓶をテーブルの横に置いた。
「……紛れもなく川の水、だな」
「神気と聖気で満ちた水だね。はい、20枚」
トレーに20枚の金貨が乗せられた。
「あ、これはオマケで」
僕は金貨を受け取るついでに日本酒を出して渡した。
「「!?」」
あれ?なんか凄い反応された?もしかして、お酒駄目でした!?
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