324話 ???→5dayAM〜帰還ト配信

「よろしくお願いいたします!」

 見事な敬礼をする褐色美女。

「えっと…うん。こちらこそ宜しく」

 軍人さん改めフィウヴェさんは女神様の許可を得て僕のお手伝いさんとなった。

「掃除洗濯護衛まで全てこなすことが可能です!」

「うん。適度にお手伝いしていただければありがたいかな…あと、僕たちの住む地球なんだけど、今ちょっと色々あって暫くはマンションに住む事になると思うんだ。

 あ、ただマンションと言っても部屋一つが神域になっていて神様方が住んでたりするから…うーっ、着いたら説明するね!」

 僕は説明を一旦放棄した。

 だって完全に知識ゼロからだし、直接見せながらの説明の方が良いと思うし。

「では一旦マンションの方に繋ぐぞ」

「うん。兄さんは暫くここで仕事の続き?」

「ああ。まあ、夜は箱庭に行くよ」

「うんっ!」

「トラブルがないようにフロアに転送させるぞ?」

「ありがとう」

 そして僕たちはフロアに転移した。


 とーちゃく。

 そしてフィウヴェさんダウン。

「これ、は…っ!」

 あ、突然の神気にダメージ受けているのか。

「これが、神々の…住居!?」

「というよりも人が住む地域に間借りしている感じですね」

「神が、間借り?」

「うん。このマンションに住んでいる人の8割が神様なので対応に気を付けてくださいね?」

「はい。気を付けます」

 と、視線に気が付く。

 その視線の元は…配信中のゆる姉様だった。

『そこのゆーちゃんと女性は至急スタジオに来てください!繰り返します!ゆーちゃんお帰り!その女性と一緒にスタジオに来てください!』

「!?」

 驚いて辺りを見回すフィウヴェさん。

「館内アナウンスですよ。それと、僕の事は友紀って呼んでください」

「えっ!?しかし…」

「僕はまだ他の人間には神だと言っていないので神様と言われてしまうとちょっと問題が…」

「…分かりました。では友紀様、と」

「…うん。それでお願いします」

 そして僕はフィウヴェさんの手を引いてスタジオへ入った。

「っ!」

 扉を開けた瞬間にフィウヴェさんが呻くも慣れてきたのか何とか中に入る。

「ゆーちゃんお帰り!そして君は…レイの所の子かぁ。ゆーちゃんと一緒って事はお手伝い的な?」

「はい。お手伝いとしてお願いしました」

「私は元ケコルテア都市第2防衛軍所属フィウヴェ・ウム・ノーリスであります」

 直立不動で自己紹介をするフィウヴェさん。

「んー?名字がフィウヴェ?」

「族名がウム、家名がフィウヴェ、個人名がノーリスであります!」

 あ、僕名字で呼んでいたんだ…

「じゃあ僕はこれからノーリスさんって呼びますね?」

「ふにゃっ!?」

「?」

「……ゆーちゃん。それ多分アカンやつぅ…本当に親しい間柄か、家族しか呼んじゃ駄目なヤツぅ…」

「?だったら尚更良いんじゃないですか?」

 首をかしげる。

「神様ぁぁぁ……」

 顔を真っ赤にして崩れ落ちるノーリスさん。

「まあ、うん。ゆーちゃんはゆーちゃんだなぁって」


『帰還早々女性をオトす巫女様w』

『世界の状況とここの状況の温度差に風邪ひいたw』

『日本は素晴らしい!』

『ダークエルフ!?ちょっと耳が尖っていた!?』

『真面目そうなエッチい軍人さんのふにゃっ!?いただきました!』

『これであと2日は戦える!』


「なんと言いますか…ただいま帰りました?まあ、僕はまだ謹慎期間だと思いますので戻りますね」

「うん!あ、妹さん地獄のクラスアップを経て特殊職になったから褒めてあげてね!」

 地獄のクラスアップって何!?


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