第19話 とうとう眉毛を整えた。

 どうも。自信家に見えて容姿には特に自信がない、私です。

 髪は年中ぼっさぼさの伸び放題、顔は基礎化粧品の「き」の字も塗ったことがない日焼け肌。胸はでかすぎてブラがないので、適当なカップ付キャミで適当にホールド。

 どう見ても肥満、見なくても体脂肪率35%越えなんでしっかり肥満。


 こんな私が、今、ちょっとずつ女子化しております。


 きっかけは、会社にスカートを履いていった事。

 私ね、男性の多い職場では、男物のシャツにパンツルックで出勤って決めてたんですよ。私の業界って、私が大卒の頃は本当に女性が少なくて。50人中1人女子がいるかいないかなんで、スカート姿とか浮くんですよ。だからあえて男装チックなことをして、場に馴染んでいたんです。

 で、今回も同じ業界なので男装で言ったわけです。

 したらば、――なんか当たりひどかったんだよ。病むくらい怒られまくる状況になっちまったんだよ!


 よく考えたら、昔と違って女子率が若干上がってる。しかも結構大きな会社だから、みんなふわふわしたいいお召し物を着用していなさる。男子だって、香水なんぞつけてる奴がいる始末(いや臭いんでやめて欲しいんだが)。


 てなわけで、最初はロングのタイトスカートときれいめブラウスを着用してみた。

 この時点で、人の話を否定していたリーダーが、私に「その節はすいませんでした」と謝る事件が発生。――え、なんぞこの手のひら返し。

 あと、長らく放置されていたのに書類作成の仕事が来たり(しかも私を思いっきり見下していた相手から)、怒られる回数が格段に減ったり。


 しかし、なんか納得できなかった。

 だってラッピングが変わっただけで、中身はデブでブスのまんまだもんな。きちんと感は少し増したけど、なーんか足りない。白い素敵なスカートが鏡の中で浮いている。

 ――ふと、顔を見た。眉間にくっきりシワが入っていて、そのくせ眉が下に垂れていて。困ったような、そのくせヘラヘラしてるような――

「……眉が変ーーーーーーー!!」

 この下がり眉が原因だよ、舐められる最大の原因は!!


 てなわけで。

 もういきなり眉を剃った。

 もちろん全剃りではない、眉頭や眉山を計算してショリショリした。

 結果わかったことは、私の眉には眉山がないこと。つまり、駄々下がりにハの字眉。そりゃ怒っても反論しても、相手に伝わらんわい。

 で、眉ペン数種類と眉パウダー、眉ブラシも買ってレッツメイク。

 おおすげえ。メイク映えしなかった私の顔が、なんかすっきりしとる。


 で、会社に行ったらば。

 ――私の事、ほぼスルーしてた人が仕事頼んできたんだが。契約終了1か月前になって!

 なんでどうしてそうなるの!人はやっぱり見た目かい!!


 まあ、そんな悪態つきつつも。

 鏡に映った自分の眉、結構好きなんですよね。きりっとシャープといいますか、女らしい細さと色味といいますか(うちの家系は眉が無駄に濃い)。

 これ、ファンデーションとかチークとか増やしても楽しんじゃね!?なんて、今では目的を逸脱してすっかりお化粧を楽しんでいる私です。

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