第6話  盛り塩

粗大ゴミにも劣る

穀潰しの俺が


布団をかぶって 

横たわるさまは


大量の塩を盛られた

ナメクジの如く


このまま溶けしまいたい


只今絶賛独りネガティブキャンペーン


朝になったら 俺の残骸を片しに 

誰か来るだろうよ


案の定 男がやって来て

嫌そうにそいつは 

昨日俺だったものを覗く


腐って零れ落ち 

隅っこに転がている 俺の目玉も

ぎょろりと 奴を見やる


やって来た そいつ は 俺だった


面倒くせえ 世話かけんなよ


そう言って拾った目玉を

マシュマロみたいにコーヒーに浮かべ

スプーンで3回 渦巻き かき混ぜて


クソマジぃ 


コーヒーに溶けきった

昨日の俺の欠片を飲み干し


いつも通り 

部屋から出て行く 


俺の朝




-------------------



誰でも、堕ちてしまうそんな日がある。

【混ぜない】の俺氏はこんな感じですが。


喜怒哀楽を、優しさ、楽しさ、救い、を込めて料理した詩集【もにもに*まにまに】では、同じシチュエーションも扱いが全く違います。

作品によって異なる味わい、ぜひご賞味あれ!

どうぞよろしくお願いします。


【もにもに*まにまに】第30話 逢う魔が時おうまがとき

https://kakuyomu.jp/works/16817330658136850212/episodes/16817330659147482429

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