魔法使いは憂鬱
川崎ヒロト
魔法使いは憂鬱
魔法使いは憂鬱エピソード1
魔法魔法使い、誕生
異世界転移魔法、、、、男は魔法を念じた
白い霧が広がり、、静電気の弾けるパチパチと音が響き、白い霧の渦巻くトンネルを抜けると、その先が眩しく光り、、目の前に別の世界が、、ここは異世界なのか、、そこには、雄大な魔法の世界が広がる
さて、話はさかのぼって、、、
ここは魔法など無い普通の世界だ、、、
これから始まる1人の青年とたくさんの仲間たちの物語である
男は自分のこれまでの事を思い出していた
回想、、、
彼に何が起きたのか、、、
、薄暗い空間の中に、、明るい光が見えた気がした、、、
俺は、、今まで自分達の世界が嫌いだった、
我慢して、、ずっと生きて来た、、、
本当の姿は見せた事がない、、全部中途半端で、、、いい人間でもない、、、
普通に働いて、普通に生きて、、、
それでも周りに合わせた人生を送っている
目立つことは大嫌いだ、憂鬱になる、、
それが魔法使いとは、、、、
1人の男の日常、、、
この物語の主人公、、、川崎拓実は、平凡極まりない男だ、、、
普通の生活を送り、、まったく目立たない男である、
小さい頃からすべて、廻りの目を気にする子であった、、、友達とあまり遊ぶことはなく
1人で博物館に有るような物を見るのが好きだった
それでも、大学を卒業して、とりあえず
小さな出版社にも就職する事が出来た、
出版社、企画部、、、
締め切りに追われている、企画部内は、あわただしく、全員、働いていた、、、
「あの、、これで、いいですか、、」
「ああ、、もうそれで、いいよ、、お前はほかの部署を手伝え、、、本当に使えないな」
拓実は、、目立たない、、あまり、みんなと馴染めない男であった、、、
そんな彼にも、気の許せる彼女がいた、、、
仕事終わりの待ち合わせ場所、、、
「あっ、拓実さん、、待った、、」
「いや、、美幸、今来たばかりだよ」
美幸は拓実と同じ様に、地方から出てきた
女の子だ、、
保育園の保母さんをやっている、大人しい優しい女の子だ、、、
二人は、、拓実の大学の学園祭で、偶然知り合った
近くの喫茶店で、、、
「美幸は、偉いよな、、保母さん何て、大変な仕事だよな」
「でも、拓実さんも、頑張っているじゃない、、」
「美幸の優しい言葉を聞くと、、俺も元気になるよ」
そんなある日
拓実に最大のチャンスが訪れた、、、
企画部に、企画取締役部長が、拓実の企画書を持って現れ、、拓実に話しかけた
「おい、君、この企画は面白いな」
「そうですか、部長、、ありがとうございます、、、」
部長は、大変気にいって、、ご機嫌だった、
「今回の、特集に使うぞ、、、間に合うようにな、、わが社の社運をかけて頑張る様にな、、うん、、これはいいぞ」
拓実は、緊張していたが、、、
「、、、えっ、、それでは、それまでにまとめます」
部長が、企画部の部屋を出て行くと、、、
その様子を見ていた、上司が、、、
「おい、川崎、、その企画は、私が、進めるぞ、、、」
「えっ、、課長、、これは、私が、、、」
課長の中原は、拓実から企画書を取り上げた
「お前は、私が、やると言ったのが聞こえないのか」
拓実が会社をやめるきっかけ
しばらくして
拓実の周りで何かにとりつかれるように負の連鎖が始まる
拓実は、企画取締役部長室に呼び出された
「おい、川崎君、、あの企画だが、、なんだ、、あれはなんだ、、最悪だな、、今月の売上、あの企画のせいで、ひどいもんだぞ
この責任は、、どうするんだ」
拓実は、、焦った声で、、、
「あの~、、あれは、私じゃありません、、、」
怒った企画部部長は、その企画書を破り、、
「君が企画したやつだろう、、どう責任を取るんだ、、」
部長室には、怒号が聞こえた、、
拓実は、責任を取る様に、、会社をクビになった
追い出されるように、会社から出ると、、
拓実は仕方なく、電車で帰った、、
昼間の空いてる電車車内の座席で、落ち込んで座っていた
「なんで、俺が、、あいつ、、課長の中原のやつが勝手に、企画を変えた、、全部、俺が考えたやつと違うじゃないか、、」
拓実はずっと不満を言っていた、、、
しばらくすると、、拓実は違和感にも気がついた、
「でも、、なんかおかしいぞ、、、、課長の中原ってあんな感じだったか、、、いや、、もっと温厚な人だったよな、、」
拓実の不幸はそれだけで、終わらなかった
次の日、朝早く母親から電話があった、、
拓実は嫌な予感がした、、、
「あっ、、拓実、、あのね、、家のあの堅物、が、浮気したのよ、、もう信じられない、、離婚よ、離婚、、相手はまだ20代なのよ、信じられる」
「あの~、、母さん、俺、会社、クビになったけど」
「拓実、、私はもう、自由に生きるから、、あんたも頑張ってね」
「あの、、今月の、家賃貸して、、、あの、お母さん、、あっ、電話切った」
電話が切れると、拓実は呆然と携帯を持ったまま何も考えられなかった、、
頭が理解についていかなかったのだ
次々と起こる、不幸、、、
「もう、、何だ、この不幸の始まりみたいなやつは、、、」
「あっ、そう言えば今日美幸と会う約束をしていた、、、」
これが、、拓実に起こる最大の負の連鎖だ
拓実は携帯を取ると美幸に電話した、、、
少しでも、今の自分の状況を知ってもらい
優しい美幸に慰めてもらおうと思った
「あっ、、美幸、、、、」
拓実は今まであった、すべての事を美幸に話した、、、
美幸に元気ずけられると思ったが、、かえってきた言葉は信じられない返事だった
「もう、、毎回、毎回、愚痴ばかり、、私達もう、別れましょう」
電話は切られてしまったが、拓実は呆然としてしばらく携帯を持ったまま立ちすくんでいた、、、
拓実は、もう一度、頭を整理した、、
「えっ、あの優しいおとなしい、美幸が、、あんなきつい口調で別れるって言った、、、俺の聞き違い、、いや、ちゃんと言ってた」
「おかしい、、、俺の周りで何が起きているんだ、、、俺が何をしたんだ」
「もう、何もかもが嫌だ、、、美幸の事が、一番、ショックだ、、俺はどうすればいいんだ、、、」
夕日が窓から差し込み、、時間がたつと部屋の中も薄暗くなったが拓実はその場から動けなかった、、、
「ははは、、、俺が死んだら、みんな、
どう思うかな」
新人、魔法使い、魔法の使用法
その時、不思議な事が起きた、、
拓実の頭の中に男の声が、、
「おい、、そこのお前、、ワシの声がきこえるか」
「えっ、、俺、おかしくなって、幻聴まで聞こえる様になったのか」
「ちょっと待っていろ、、、今、お前の所にワシの分身を送るぞ」
すぐに、、拓実の部屋に異変が、、、
部屋の空間が歪み、異空間から、、、
拓実の前に小さなおじさんが現れた
拓実は、目を擦ると、もう一回見直したが
そこには、やっぱり小さなおじさんが、、
笑って立っていた、
「えっ、俺は夢を見てるのか、、」
「魔法じゃ、、ワシは魔法使いだ、、魔法の世界からこの世界に飛ばされたんだ、、ほう
お前、いい魔力波動を持っている、ワシが思っていたとおりだな」
拓実はこの現実を受け止める事が出来ない
今、何が起きているのか
その小さなおじさんは、少し拓実に近寄り
「ワシには、時間がない、あいつがいない間に来てるんだ、ところでお前、名前はなんと言う」
拓実は理解できないまま答えた、、、
「ええと、拓実ですが」
「拓実、、お前にこれを預けるぞ」
小さなおじさんは、拓実に小さな古い本と
小さな指輪を出した、、
「ええ、これは、何、、、」
「魔法秘伝書と魔力の無限の指輪だ、ワシは今囚われの身だ、これを使ってワシを解放してくれ、、、」
拓実は急な展開に驚いたが、、、
魔法使いと名乗る小さいおじさんが、現れると俺に魔法秘伝書と魔力の無限の指輪を渡して、、どこかに囚われている自分探してくれと、頼まれたと少し理解した、、、
「ああ、長い、、、これって夢、、」
「お前、何、独り言を言っているんだ」
拓実は、すぐに現実に戻される、小さなおじさんは、拓実の今の現状の事を言った
「拓実、お前今、運が悪いだろう、ワシが囚われているのと関係がある、、ワシを解放出来たらワシの魔法で解決してやるぞ」
拓実は、自分の負の連鎖は、魔力のせいなのかと思った
「えっ、もしかして、魔力とか嫌な気が関係してるのか」
「たぶんな、、異世界転移魔法で、この世界は、かなりの影響をうけるぞ、、ただ、多少魔力を持っている者だけだぞ」
拓実は、疑問に思った
「おじさん、あなたが来たために、俺がこんな目にあっているんじゃないよね」
小さなおじさんは、拓実から目を反らした
「まあ細かいことはいいじゃないか、、その魔法秘伝書を見て魔法を早く覚えてくれ、、ワシの魔力も限度がある、あとは連絡の分しかない、じゃあ、よろしくな、、あっ、そうだ、すぐに空間保存魔法で魔法秘伝書と魔力の無限の指輪はしまっておけよ、失くさないように、、」
拓実は、少し、不安に思った
「えっ、、俺、本当に魔法を使える様になるの、、、」
「ああ、、ワシは、お前の体にある、封印されている、魔力を感じて来た、、お前なら簡単に魔法を使えるぞ、、まずは、空間魔法だ、、通信と、保存の魔法を覚えろ」
小さなおじさんは、魔法秘伝書と魔力の指輪を指すと、、、
「空間保存庫にしまっているだけで、持っているのと同じで見ることも出来るからな」
そう言っておじさんは消えてしまった、、、
拓実が魔法秘伝書を手に取ると、ちょうど良い大きさになった
「えっ、、やっぱりこれも魔法なの、、秘伝書と指輪がちょうど良い大きさになったぞ」
魔法秘伝書には、色んな魔法が書かれて
いた、、拓実は最初の魔法、火の魔法をとりあえずやってみた、、
すると、、拓実の手のひらに炎が、、、
「えっ、、本当に魔法を使えたぞ、、これを敵に向かって投げろと、、あぶないぞ、、、
手を閉じると消えると書いてある、、」
拓実は、また魔法秘伝書を読んだ
魔法秘伝書の最初に注意事項として、魔法は
全部自分の欲望のためには使えないと書いてある、、お金がない拓実にはこんな魔法意味がない、、、
拓実はがっかりした、、、
「なんだよ、お金出せないじゃないか、、
来月の家賃どうするんだ」
拓実は小さなおじさんが、言っていた、魔法
、空間魔法をすぐに覚えて、空間保存庫に魔法秘伝書と魔力の指輪をしまった、、、
「ほう、、あの小さなおじさんが、言った通り、魔法秘伝書が見えるし、魔力も感じるぞ、、、」
拓実は、、現実に戻った、、まずはお金、、
自分の欲のためには使えない、、それでも、どうにかしないと、、拓実は色々と考えた
「どうすれば魔法を使ってお金を稼げる」
色々考えて、ひとつ良い案が浮かんだ、、、魔術師になって魔法ならぬ、マジックを見せてお金を稼ごうと思った、、これなら直接お金を出すことがない、魔法は使えるだろうと
「人見知りで、、目立つことが俺は嫌いだ、、マジックを人前で出来るのか」
拓実は不安になった
それでも生活費を稼ぐ為に、拓実は路上でマジックを見せた、、
拓実のマジックはあまり見かけないマジックで仕掛けがわからないと評判になった、、
すると早速、テレビ局から、声がかかった
今度、、テレビ局の番組でマジックを見せてくれと、言われた、ただ1人だと地味だから、、助手を付けて派手にやってと言われた、、、
拓実は困ってしまった、、、
「えっ、助手、、まずいな、、あれはマジックじゃないし、ばれないか」
少し考えた末に、、、
拓実は二人の助手を採用した、、高津カズトと麻生多摩美の二人、、、今風の若者だ
少し天然か、、素直な感じだ
「よろしく、、がんばるっす」
「よろしくね、、ねえあんたの名前、どう、呼べばいいの、、」
「ああ、拓実でいいよ」
「じゃあ、拓実、よろしくね」
それから色々な番組でマジックを見せた
けっこう好評で仕事は舞い込んだ
慣れない事をやっているせいか、家に帰るとどっと疲れた、、、
「そう言えば、、俺、、何か忘れていない
う~ん、、、思い出せない、、寝るか」
すると、次の瞬間拓実の頭の中に、凄く不機嫌な声が、、、
「拓実、、、ワシの事忘れていないだろうな、、何度も言うが、お前は運が悪かっただろう、、あれはワシが捕まったこととも関係しているぞ、、ワシに掛けられた呪いが、、魔力波動の少し似たお前に影響したのじゃ、、思い当たる節があるだろう」
拓実はあっと思ったけど、、冷静に感情を抑えて、、、
「大有りだよ、、あんなに優しい美幸が俺と別れるはずがないし、、真面目な父さんが浮気をしてそれで仲良しの両親が離婚するわけがない、、、」
小さなおじさんはほら見たことかと話始めた
「だから早くワシを探して解放してくれ、、そしたらおかしな状態も元に戻るぞ、、、時間が無いぞ、、ワシの魔力が無くなるとお前と話しも出来なくなるぞ」
拓実は忘れていたが、、お前もだろうと思った、、、
「最近、全然、連絡しないのは、そっち方じゃない」
「えっ、、聞こえないぞ、つながらない、、Wi-Fiが悪いのか、、」
小さなおじさんはごまかした
「都合の悪いことは聞こえないのか、、どこでそんな情報仕入れるの、、」
「そんな事はいい、早く探してくれ」
拓実はこの程度の情報では、どうすることも出来なかった、、、
「手がかりは、、何かないのか、、」
「ワシがわかるわけないじゃろ、小さな檻の、結界の中にいるから、、この、部屋みたいな場所しか見えない、外は、全然見えないぞ、、、、何かテレビとか言う箱は見えるが」
「箱、、テレビ、、、お前、けっこう普通の所にいるな」
拓実は少し考えると、、、
「わかったよ、、色々と探して見るよ」
「ところで拓実、、そのテレビとか言う箱にお前が映っていたぞ、、魔法を使って何をしているんだ、、」
何だ、、そんな情報は駄々漏れじゃないか
拓実はずいぶん監視が甘いじゃないと思った
拓実は今の、自分の状況を話した
「生活するのにお金がいるの、、おじさん探すのに情報もらえる方がいいだろう」
「ところで、、この魔法の本、半分以上見えないんだけど、、」
「当たり前じゃ、、お前の魔力のレベルじゃ見えるわけないじゃろ、、、ワシでも、全部は見えないのに、、」
拓実は不満そうに話した、、、
「同じ魔法しか使えないぞ、、まあ、マジックするにはそのぐらいでいいけど」
それからのマジシャン生活
それからもマジックの仕事は舞い込んだ
助手のカズトと多摩美もずいぶん慣れたみたいだ、、
すると、ある日の出演の前に、、多摩美が
、
「ねえ、拓実、、私達、、今のままでいいの、、けっこう失敗しているけど」
「そうだよ、、拓実さんそれでお給料いただいていいのか、、」
拓実は、少しは気になっているんだと思った
「ああ、、、いい、今のままで、、それより多摩美は美人なんだから、、もっと可愛い格好したら、、」
多摩美は、拓実はおじさんなのと思った
「拓実、、お前、センスないな、、今はこの格好が流行りなんだよ」
「えっ、、そうなの、、」
新しい番組の前に拓実はいつもよりも真剣に
「カズト、、今日は生放送だから、、順番間違えるなよ」
「大丈夫ですよ、、、それより師匠、今日のゲスト有名なコスプレイヤーなんですよ、、楽しみだな、、、」
すると、多摩美が笑って、、、
「拓実、、カズトはオタクなんだよ、、」
「、、、」
生放送は、少しカズトの間違いがあったが見た目には成功に終わった
拓実は順調な現状を感じた
「ずいぶん生活は潤ったな、、少しお金も余裕が出来た」
夜、、拓実が寝ようとした時またあの小さいおじさんが、話しかけた
「おい、、拓実、、ワシの情報少しわかったか、、、」
「わかるわけないよ、、、」
小さなおじさんは自分の置かれている少ない情報を話した
「ワシを、結界に閉じ込めている奴は、、ずいぶん若い男だ、、、ワシを、魔法の世界から飛ばした奴が操っているのかもな、、」
「どんな男なんだ、、、」
「ええと、、目と耳が2つ、、鼻と口が、1つあるぞ、、」
拓実は困惑した、、、
「人間なら、、そうだろうね、、、」
小さなおじさんは拓実の素っ気ない態度に
「ワシらの世界には、、変わった者がたくさんいるからな、エルフにドワーフ、獣人族、魔族とか怪物など目が百あるやつもいるぞ」
小さなおじさんは、更に、、、
「ここは、、綺麗な女性は、、テレビとか言う箱でしか見えないぞ、、話す事も出来ないぞ、、、ワシの楽しみなのに」
「ところで、お前と、映っている綺麗な女性は誰だ」
「えっ、、多摩美の事かな、、、」
「多摩美さんか、、綺麗な女性だな、、拓実、、あの女性も、、面白い魔力波動を感じるぞ、、後、、もう1人、男がいるだろう」
「ああ、、カズトだろう、、」
「カズト、奴も、、いいな、、面白い魔力波動を持っているぞ、、、お前が見つけたのか、、」
「そんな事、わかるわけないよ、、」
「じゃ、、ワシの情報探してくれよ」
「、、、」
スポンサーのパーティー
それからもマジックの仕事は順調だった
番組のスポンサーさんが自社のパーティーでマジックを見せてくれと、言われた
俺は大袈裟な位の魔法を、見せた、、
スポンサーさんは感激して、、、、、俺達のマジックショーまで開催してやると言われた
拓実は、素直に喜べなかった、、、
「、、、俺はマジシャンになりたいわけじゃないのに、、、複雑だ、、」
カズトと多摩美はもう有名人のつもりでいる、、、、
「ねえ、、最近サイン、求められるのよ」
「俺も、、少し、有名人に、、なった気分だよ、、」
2人の言葉に拓実は、少し戸惑った
「俺は、、いつ、マジックじゃないと、バレるかと思っているのに、、、」
すると、拓実の態度を感じ取った、、勘の良い多摩美は、、、
「どうしたの、拓実、、考え事して、、」
「えっ何でもない、、」
「拓実、、私達に、何か隠し事していないよね、、、」
「何の事かな、、、多摩美、、」
すると、勘の悪いカズトまで、、、
「そう言えば、、師匠のマジックってまったく仕掛けがわからない、、、、、まるで魔法みたいだ」
拓実は苦し紛れに、、、
「バカだな、、それがプロのマジシャンだからだよ、、、」
「やっぱり、、そうなんだ、、」
「、、、えっ、、それだけで納得するの」
その日の夜、
拓実はベッドに横たわると、色々と考えた
「ああ、、何か今日も疲れた、、俺は何をやっているんだろう、、美幸は、今頃何をしているのかな、、、本当に、、あの小さいおじさんを解放したら、、全て元に戻るのだろうか、、、俺は、人前で何かするのは得意じゃない、、何か憂鬱になるな、、」
拓実は考えてもしょうがないと、部屋の電気を消そうとしたら、、、声が、、、
「もう、、寝よう、、、」
拓実は聞こえないふりをした、、、
「お~い、、、拓実、、聞こえるか、」
「、、、、いません、、、、」
頭の中の声が、、もっと大きくなって
「拓実、拓実、拓実、、、いるか」
「、、、わかりましたよ、、、どうしましたか、、、」
「お前は、情報何かあるか、、」
「あるわけないよ、、、仕事で忙しくて、男だけじゃ、どうやって探すの、、、」
「お前がやっている、、魔法を使ってやるやつ、、、何だっけ、」
「マジック、、だろう、、」
「それだ、、、ワシを、閉じ込めている奴も同じ事をしているぞ、、、お前が出ているあの箱、、テレビとか言っていた、、お前を見て、同じ魔法を、使って何だっけ、、そうだマジックだ、、それを真似しているぞ」
拓実は何の事だかわからなかった
「何のために、、、」
「お前を誘い出す為じゃないのか」
「えっ、、」
「やつは、お前がやっているのはマジックじゃないと見破っているぞ、、使っている魔法があの、魔法秘伝書に書いてある魔法だと確信してるぞ」
テレビから自分の情報が漏れていると、聞いた拓実は、、、
「じゃあ、そいつは、俺も狙っているわけだ、、」
「そうだ、だから早く、先に見つけてくれ
そいつを倒してもいいぞ、、そうしたら
操っている魔法が解けるかもしれない」
拓実は小さなおじさんが、そもそも、どうして俺達の世界に飛ばされたのかを聞いた
「そう言えば、、何で魔法の世界から飛ばされたの」
小さなおじさんは、、今までの事を細かく話した
「拓実、、お前に預けたあの、魔法秘伝書あれが、欲しいのさ、、あれはワシの国、、
ウィザード王国に伝わる国宝なのだから、」
「魔法の世界は色んな魔法があるが、あの魔法秘伝書は一般的な魔法も載っているが、、ウィザード王国に伝わる賢者ロキの魔法も載っている、だからそれが知りたいのだろう」
拓実はそもそも、、誰が敵なんだと聞いた
「誰がその魔法秘伝書を奪おうとしてるの」
「ドーマンのやつだ、、元はワシの部下だった男だ、、優秀なやつで、後継者のつもりで魔法秘伝書の魔法を教えたりしたのに、裏切り者だ、、反逆者になってしまった、、」
「ドーマンは、ワシの魔力が弱くなるお前達の世界に飛ばして魔法秘伝書を奪おうとしたんだろう、、ワシを封印している男を洗脳して、、、ワシは誰でも良いからこの魔法秘伝書だけは奪われない様にしないと思った」
「どうして、、俺なんだ、、、」
小さなおじさんは、たまたま、拓実の小さな魔力波動を見つけたと言った
「ワシもそう言うことだろうと思ったから
封印された時、魔力が弱まる前に、ワシと少し魔力波動が似た拓実、、お前に預けたのじゃ、、奴らもお前の事は知らない、、時間かせぎじゃ、、でもばれたみたいだぞ、、、だから、、、早くワシを、見つけてくれ」
最後のマジックショー
しばらくしてスポンサーさんが俺達のマジックショーを開催してくれた
用意されていた、会場に来ると拓実はその
大きさに驚いた
「えっ、、こんな大きな会場、、、お客さんが来るの」
多摩美やカズトも少し戸惑ったみたいだ
「拓実、、凄い会場ね、、少し緊張するね」
「俺も、、、」
特に拓実は、、テレビのステージぐらいは我慢出来たが、、、こんな大きな場所は、絶対嫌だった、、、もともと大勢の人前は苦手だったのだ、、、
「、、、気が重い、、少し評価しすぎだよ」
「拓実さん、、いや師匠、、さっき客席見たら、満席だったよ、、俺達、、けっこう有名人だね、、、」
「大きなステージ、、アイドルになった気分だわ、、、」
カズトと多摩美は、それは全然平気みたいだ
こうしてマジックショーは始まった
拓実は観念して、、とりあえず平静を装った
壁抜けのマジックや瞬間移動のマジックなど色んなマジック(魔法)を見せた
拓実の緊張をよそに、マジックショーは進んだ、、、
最後に明かりを落として聖霊のマジックをやった、、拓実は思った、、
「もうこれはマジックじゃない魔法だ、、、、」
最後だからと、拓実はバレても良いと賭けをした、、、
会場内に、、小さく輝く、精霊たちが飛び交って幻想的な光景が広がった
「えっ、、凄い、、何、、綺麗、、魔法みたい、、、」
お客さんは驚き、歓声を上げた、、
こうしてマジックショーは大成功で幕をとじた、、、
拓実は思った
「これでしばらく、、マジックはやめよう
絶対、、いつかバレる、、魔法って事が」
その日の夜また例の様に小さいおじさんが、話しかけた
「おい、、、拓実、、ワシを、閉じ込めている奴の、魔力が少しずつ上がっているぞ
お前を探して、魔法秘伝書を奪うために
ドーマンの奴が魔力を送っているんだろう」
「全然、、この世界で魔力なんて感じないんですけど」
小さなおじさんは、拓実の反応は無視して、、、
「まさかと思うが、、ワシを、この世界に飛ばしたドーマンもこの世界に来るわけじゃないよな、、お前も知ってると思うが、、魔法を、使うには魔力がいる」
「今頃、基本ですか、、」
小さなおじさんの説明は、続く、、、
「お前達の世界には、、魔力を持たない者が多い、、だから、魔法が使えない、、それに魔力を補う物もない、、魔法の世界には魔力を宿った貴重な魔石がたくさんあるぞ」
「だから、、全然わからないですけど」
またまた、小さなおじさんは、拓実の意見など無視して、、、
「ワシがお前に預けた、、無限の指輪、、あれは賢者の石という魔力を宿した石で出来てる」
「そんな事言われても、わからないですが」
「あの無限の指輪が、あるからお前は魔法が使えるんだ、、まあ、お前はこの世界でも魔力を持った数少ない人間だから、、、」
拓実はようやく少し理解して、、、
「だから、、、囚われてる、場所とか、その結界を解除する方法とかわからないの」
「ワシを、閉じ込めている奴を倒せば操られている魔法が解ける、そうしたら結界は消えるぞ、消えなければ解除してくれ」
拓実はそれがわからないと、、、
「だから、その男が誰だか、わからないのに倒すなんて、、ましてや解除する魔法なんてわかるわけないよ」
すると、小さなおじさんが気になる一言
「ん~、拓実、Y市って、なんだ、、」
拓実は初めて、、食いついた
「えっ、、そいつが住んでいる場所か、、、俺が住んでるK市のとなりだ、、こんなに近くにいたんだ、でもY市は、広いからな、、それだけじゃ、見当がつかない」
マジシャンY、、、
次の日テレビ局のプロデューサーの宮前さんから連絡が入った
「やあ、、川崎さん、久しぶり、、まだマジックの仕事は再開しないのか」
拓実は、罰悪そうに、、、
「ああ、ご迷惑おかけします、、ちょっとスランプでして、、、」
すると、気になる話を、、、
「まあ、違う話なんだが、、いまY市で活躍している若いマジシャンが、どうも、川崎さんと同じマジックばかりやっている、そうだが知ってる、、それとも弟子なのか、」
拓実は気になったが、交わす様に、、、
「えっ、、そうなんですか、弟子はいないですが、、、」
「場所は知らないけど、、行ってみたら」
「ありがとうございます、、、」
電話を切ると、拓実は、、ふと考えた
「そう言えば、小さいおじさんが言っていたな、、自分を結界に閉じ込めている奴が、俺と同じ魔法を、使ってマジックをやっていると、、、それにY市、、」
「すると、そいつが小さいおじさんを結界に閉じ込めている奴だ、、」
拓実は暇そうなカズトに調べてもらった
次の日カズトから連絡が入った
「師匠、、、わかりましたよ、、、奴の名前は横浜で、、Y市N区の小さな会場で
マジックをやっている、駆け出しのマジシャンらしいよ」
拓実は素早いカズトの行動に驚き、、、
「カズト、、お前、探偵の方が向いているんじゃないか、、、」
「えっ、拓実さん、それ、誉め言葉ですか、、、」
カズトは、その会場を知っていると、、、
「師匠、、俺がその会場に案内します、明日でも行きますか、」
少し考えると、拓実は、、、
「そうだな、、どんな奴か見ておくか」
「ところで、その男、何をしたの」
「いや、、たいした事じゃ、ない、、」
「じゃあ、明日お昼に近くの駅で待ち合わせしましょう、、」
次の日、拓実が待ち合わせ場所に行くとそこには、、多摩美がいた、、、
「遅いぞ、、、拓実、、」
「何で、、お前がいるんだ、、」
「私を、、何で誘わないの、、どこに遊びに行くの、、映画、、遊園地、」
多摩美はニコニコと笑って言った
拓実は、カズトの顔を見て、、、
「カズト、、、お前、、しゃべったな、、」
カズトは罰悪そうに目を反らした
「遊びじゃないぞ、、多摩美、、」
「何でもいいわ、、最近、仕事がないから暇だし、、」
拓実はため息をついた、、、
「、、、、しらないぞ、、どうなっても」
拓実達はカズトの案内で小さな会場に着いた
「ここですよ、、師匠、、奴が、マジックをやっている、会場って、、」
「小さいな、、こんな所で、、」
「えっ、、マジックを見るの、、」
拓実は多摩美を見ると、、、小声で、、、
「いやなら、、帰ってもいいんだぞ、、」
「いやよ、、帰っても何もする事ないんだもん、、、」
拓実達は小さなマジック会場に入って行った
しばらく見ていると、、、
例の男のマジックが始まった
カズトは舞台の男を指差すと、、、
「拓実さん、、いや師匠、、、あいつですよ、、」
拓実はその男をじっと見た、、、
「マスクで顔を隠しているけど、若い男だ」
そのマジシャンは、、次々とマジックをした
拓実は、マジックをみると、一目見てピンときた、、、
「やっぱり、、俺のマジックと同じだ、、、あれはマジックじゃない、、魔法だ」
「どうするか、、直接、奴に真相を聞くか
でも、、カズトと多摩美が邪魔だな、、」
拓実の、心配をよそに、カズトと多摩美は
マジックを楽しそうに見ていた
「まあ、これだけ人が多いと何も出来ないだろう、、、」
拓実は横浜の楽屋に招かれた、、、
カズトと多摩美も付いて来た、、、
「もう、、あれだけ言ったのに、、」
「ねえ、、何をするの、、知り合いなの、」
「もういい、、、奴も他の人がいたら、何も出来ないだろう、」
拓実はそう思った、、、
狭い、薄暗い、楽屋裏の通路を歩き、
拓実達は横浜の楽屋に入って行った
そこには、、小さなおじさんが話した様な
若い男性がいた
男は拓実達に気がつくと、、、
「おや、、初めまして、、あなたほどの有名人が私にどんな用ですか」
「いや、、あなたのマジックがすばらしと思いまして、、、」
男は平静を装った、、すると、拓実が、、、
「まるで、、魔法みたいに、、仕掛けがわからないと、、、」
「それは、、お褒めの言葉ですか、、それとも、、、疑いですか」
ピリピリした雰囲気にカズトと多摩美は、黙って見ていた、、、
魔法使いの戦い
拓実は男の話し方でこいつがあの小さなおじさんを結界に閉じ込めていると確信した
拓実はその男に、、ストレートに聞いた
「ところで、、あなた、、小さなおじさん知っていますよね」
「何の事だ、、、」
「わかっているでしょう」
カズトや多摩美は何を二人が話しているのかわからなかった
「ほほ~、、、全てわかったと言う事ですか、、、」
急に横浜の態度が変わった
横浜は、誰かが乗り移った様に声まで変わった、、、
「おい、、お前、、あの小さい男から何か預かっているだろう、、お前がやっている、
マジックあれはマジックじゃない、、、魔法だ」
どんどん、顔つきまで変わっていった
「あれは、、本来、、私の手元に来るべき物だ、、お前が持つべき物じゃない」
「返せ、、、、」
拓実はこの豹変ぶりに驚いた
「何だ、、、急に人が変わったみたいだぞ
半分操っている奴が言っているんじゃないのか、、」
横浜はますます声が大きくなって、、、
「返せと、、言ってるだろう」
「あの~、、、今日は持って来ていません、、、」
「ほほ~、、そういう事か、、ならいい、、力ずくで奪う、、お前を倒して」
「誰にも邪魔させない、、、結界の魔法」
周りの景色が変わった、、、
「これは、、いったい、、どうなったんだ、さっきの場所じゃないぞ、」
広い何もない空間に拓実達はいた、、
「誰にも邪魔させない、、思い切り魔法で戦うか、、、」
すると、拓実の目に、、少し離れたところに
ポツンと何もわからないままの、、カズトと多摩美が、立っていた、、、、
「あの、、、カズトと多摩美もいるんですけど、、、」
「お前達は、、同罪だ、、全員倒してやる」
拓実はこの状況は、非常にまずいと思った
「まずいぞ、、、マジックで使う魔法しか俺は使えない、、攻撃魔法なんて知らないぞ」
「カズトや多摩美もいるし、、、どうするの俺、、、とりあえず爆発マジックの時に覚えた、シールド、防御魔法を、」
拓実は自分と、カズト、多摩美に魔法を、掛けた、、、
すると、次の瞬間、横浜が、、「電撃魔法」を放った、、、
激しい電撃が拓実達に直撃した、、、
「キャー、、拓実、、何なの」
「師匠、、何が起きたの、、、、」
拓実達はその衝撃で吹き飛ばされたが、拓実の「防御魔法」のお陰で傷1つ付かない
拓実は今更ながら魔法の凄さに驚いた
「凄いな魔法って、、あんな攻撃受けて全然平気だ、、、でも俺は攻撃魔法なんて出来ないから、、いつまで持つか」
カズトと多摩美はこの様子を唖然と見ている
横浜はニヤリと、微笑むと、、、
「やるじゃないか、、これならどうだ、、、魔導波の魔法、、、」
横浜の手から、、空気砲、、魔導波が放たれた、、、
拓実は「透明な防御の壁、、バリア、」を魔法で出したが簡単に破壊された、、、
拓実達は後ろに飛ばされたが、、先ほどかけた防御魔法が効いて、大丈夫だった
「あいつの魔法がだんだん強くなっていくよ大丈夫なのか俺達、、、」
「なかなかやるじゃないか、、、もう遊びは終わりだ、、、本気でいかせてもらうよ」
「あっ、そうだ、一回瞬間移動魔法で逃げよう、、、、えっ瞬間移動が効かない、、」
結界に阻まれて、移動は出来なかった
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