物理系魔法少女、これがご都合ステッキの力だと思う
な、なんですかこれは!
疲弊した精神でもさすがにこれは驚くんですけども!
「ヒラヒラした服! 伸びた黒髪! なんじゃこりゃあ! つーか、左手に持ってるこれ何?!」
杖か! 杖なのか!
ステッキ!
まるで魔法少女が使いそうなステッキが左手に握られているんですけど!
俺、右利き!
「俺はもっとこう、ダボダボのスーツを⋯⋯そうそうこんな感じ⋯⋯」
ん?
んん??
服が変わったあああああああああ!
「え、イメージしただけで服って変わっちゃうものなの? ダンジョンすげー!」
ってなるかボケ!
ステータスカード見りゃあ良いんだよな。
それで解決。
ネーム:神宮寺星夜 レベル:1
体力:S 筋力:S
防御:B 敏捷:S
器用:E 技能:C
知力:A 魔力:FFF
スキル:【魔法少女】《神の加護:ロキ》『自己再生.1』『魔法攻撃力上昇.20』
「これは俺のステータスカードじゃない!」
壁にぶん投げたら、刺さった。
なんだよ、【魔法少女】ってさ!
俺、そこそこ良い年齢のおっさんぞ?
「クソ、なんだよこの仕打ちはよ」
ステータスカードを引っこ抜く。
かなり深く刺さったけど、これが筋力Sの力か。
つーか、それでも一切傷がないって、このカード尋常じゃない程に丈夫なんだが。
「スキルの詳細は分からないか。色々と調べないとな」
まずは服だ。
これは色々と変えられた。
イメージ通りに変わるので、メイド服にもなるし、あのSM漫画のエロい衣装にもなれた。
「⋯⋯も、もう少しおっぱいが大きければ揺れるか?」
そんなバカバカしい事を考えてしまったら、本当にサイズが変わったよ。
俺の目算的なBカップからXカップまで行けた。
最低がBな。
「ボディラインが変えられるなら⋯⋯」
髪型髪色も変えられた。
銀髪クール系上司スタイル⋯⋯俺のドストライクの見た目になったつもり。
鏡でもあればな。
と、考えたらステッキが手鏡に変貌した。
「魔法少女すげーな。うわ〜めっちゃ綺麗だな⋯⋯俺だけど。クール系なら、もっと声が低く、あーそうそうこんな感じ」
声音も変更可能なのかよ。
エグイな。それでも女性寄り。
クール系なら、魔法少女の衣装は青色かな?
「魔法少女、ルルカ、海に変わっておしおきよ!」
は、恥ずかしっ。
誰かに見られている訳でもないんだけどさ。
「てかこれ、俺武器買う必要ないんじゃね?」
イメージすればなんでも変えられるなら!
「我がステッキよ。全てを切り裂く聖剣となれ!」
ピーカン、めっちゃ光る輝かしい銀色の剣になりました!
ダンジョンの壁に向かって、振り下ろします。
「切り裂け、エクスカリバー!」
ドゴーン、激しい轟音と共に壁に殴った痕のようなモノが残った。
「⋯⋯ま、まぁ。壁だしな。しかたない」
と、とりあえず魔物を探そう。
それでこのエクスカリバーの真の実力が分かるんだ。
発見。
「スライム、覚悟!」
俺の持つエクスカリバーは斬りたいと念じれば、全てを切り裂く最強の刃となる。
死ねえええええ!
強く振り下ろしたエクスカリバー(笑)はスライムを粉々に粉砕し、核をも破壊し、地面にクレーターを作り出した。
そう、それはまるで、まるで⋯⋯
「バットで殴ったような⋯⋯」
そうだよな。
イメージしたら特別な力が宿るなんて事、ある訳ないよな。
つーか、スライムからのドロップ品であるはずの魔石が核であり、粉々にしてしまったので無しである。
スライムの討伐記録はこのステータスカードに記録されるため、報酬は手に入る。
多分、六十円くらい。
「この、クソザコナメクジ、全てを切り裂き神をも殺し世界の秩序を創る聖剣エクスカリバー(笑)が!」
俺は投げ飛ばした。
遠くに見える壁にぶち刺さる。
「ま、まじか。あれ一応体積的な形的な何かは働いているのか」
鋭利なモノでつき刺せば、色々と使い道はありそうだな。
まぁただ、剣だろうが殴り系の武器になる事は分かったわクソステッキ。
薄くしたら切れたりするかな? 刺さるなら有り得る。
「今度はチェンソーで試してみるか」
はぁ。ステッキを回収しに行かないとな。
「って、え」
ステッキ、高速で戻って来ます。
「ちょいちょい!」
俺は横にステップして回避した。
は、はええ。
俺が投げた同等のスピードで戻って来るやん。
検証した。
分かった事、ステッキは手に持ってないで一分すると自動的にどこからでも戻って来る。
心の中で「戻れ」と思ったら戻って来た。
なお、どちらも投げた時のベクトルがそのまま返って来る仕様。静かに置いて確認すると、一番最後に投げた時の速度で戻ってくる。
回転などを意識したら使えそうだけど、キャッチする練習が必要である。
手放していても形は変わる。
あと、チェンソーは普通に動く事が判明した。
「チェンソー系魔法少女」
銀髪ロングは気に入っているため、継続してしている。
服装は魔法少女っぽい感じだ。
なんとなく、これが一番落ち着くのだ。
「スライム、悪く思うなよ」
俺はゆっくり動くチェンソーをスライムに押し当てた。
すると、スライムの形が徐々に⋯⋯あれ?
これはあれだ。
削れているように見えてただ、動かしているだけだ。
うわぁ。
めっちゃ気持ちよさそうにするやん。
チェンソー、動くけれども、意味は無い。まるでマッサージ機。
力を込めるとブチッと潰れた。
結論、イメージした道具の性能は使えるけど、打撃系の武器にしかならない。不思議だ。
あと、追加能力はつけれない。
ある程度の見た目の変更は可能で、その分体積とかも比例する。
銃とかにもなれたけど、弾はなかった。
以上!
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